Cerevo、鍵スイッチ「Hackey」を発売 - 鍵を回してWebサービスにアクセス
Cerevoは28日、Webサービスと連携できる鍵スイッチ「Hackey(ハッキー)」に関する記者説明会を開催した。同日より、直販サイト「Cerevo official store」上で税別9,980円で販売が始まっている。本稿では、都内で開催された記者説明会の模様をお伝えする。
○Hackeyとは?
記者説明会には、Cerevoの代表取締役である岩佐琢磨氏が登壇して詳細を説明した。Hackeyは、無線LANを内蔵した手のひらサイズの機器。鍵穴がひとつ付いているだけのシンプルな構造で、鍵を回すアクションを通じて様々なWebサービスと連携できる。岩佐氏は「Hackeyは、シンプルであることを究極的に突き詰めた製品。面白い世の中をつくるお手伝いができれば」と製品の展開に期待を寄せた。
Hackeyの本体サイズは直径56mm×高さ51mm、重量は60g。無線LANはIEEE802.11b/gに対応している。通知に利用できるようLEDが搭載されており、5色(赤、緑、青、黄、紫)に点灯する。鍵のパターンは100種類を用意。micro USBで給電して使用する。分解が発生するため自己責任にはなるが、鍵穴を市販の直径16mmのパネルマウント型スイッチに交換することも可能だという。
●便利な使い方は?
○どんな使い方ができるの?
非エンジニアでも取り扱えるほか、ハードウェアエンジニア、ソフトウェアエンジニアにとっては新たなサービスや製品を開発するきっかけになり得る本製品。具体的には、どのような形で既存のWebサービスと連携できるのだろうか。
岩佐氏は「身近なところに活用の機会がある。ユースケースを決めずに、自由に使ってもらいたい」としつつも、いくつかの使い方を紹介した。
単純な例を挙げれば、SNSにメッセージが来た、Webページが更新された、などに応じてLEDを光らせることができる。ビジネスの現場では、例えば会社の玄関に置いておき、ワンアクションでタクシーを配車できるようにする。子供やお年寄りのいる家庭なら、家に帰った家族に鍵を回してもらうことで、帰宅の確認メッセージを手持ちのスマートフォンで受け取れるようにする。水や洗剤など、定期的にオンラインショップで購入しているものがあれば、ボタンひとつで注文できるようにする。そんな使い方が考えられるという。
Hackeyの設定はWeb上の管理画面「Dashboard」から行える仕様。
発売時点では「IFTTT」「Zapir」といったサービスを利用することで「鍵をひねってTwitterにメッセージを送る」「スマート電球の点灯をコントロールする」「天気予報の結果をLEDで通知する」といったカスタマイズが行える。
●ヤフーのサービスとも連携可能
○ヤフーのmyThingsとも連携可
なお2015年内には、ヤフーの展開する「myThings」に対応する。myThingsは、IoT製品やWebサービスを組み合わせて新たな利用方法を生み出すアプリ。記者説明会には、ヤフー スマートデバイス推進本部の椎野孝弘氏が招かれて挨拶した。
椎野氏は「myThingsのHackeyチャンネルを利用すれば、myThingsに紐付いた家電も制御できるようになる。Hackeyの可能性を大きく広げられる」と話した。一例として、Hackeyをロックすることでテレビを見られなくする、外出前に家中のスマートキーをロックして戸締まりする、就寝前に家中の電気を落とす、などの使い方を紹介した。myThingsは日本語で利用できるため、一般の利用者にも使いやすい。
そのあたりも大きなメリットになっているようだ。
○非エンジニアでも使える
説明会の最後に、質疑応答の時間が設けられた。非エンジニアでも使えるとしているが、開発キットは用意されているのか、という質問にCerevoの岩佐氏は「現状では、特に用意していない。Web上のDashboardから簡単に作っていただける。非エンジニアの方、プログラミングできない方も使えるようになっている」と回答した。
鍵穴の形状は製品ごとに違うのか、といった質問に同氏は「出荷される商品ごとに形が違うが、鍵のパターンは100種類を用意しているので、何千個買ったらいくつか同じ形に出会う。イージーコピーはできないようになっている」と回答。業務向けのカスタマイズは行っているのか、と問われると「別途、ご相談いただければ」と回答していた。