変体仮名をスマホ上で誰でも学べる無料アプリが登場 - 早大・UCLA開発
ちなみに、このアプリの開発は、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長・柳井正氏の寄付を受けて早稲田大学とUCLAが取り組んでいる「柳井正イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト」の一環として行われている。
このアプリの開発経緯について、エメリック准教授は、自身が修士課程で「十帖源氏」を学んだ際、読解のために変体仮名の単語カードを自作して猛勉強したエピソードを語った。自身が教える立場になり、同じ苦労を学生にさせたくはないこと、そして今や日本人の多くも読むことは難しい変体の面白さを、より多くの人々に知ってほしいという意図を語った。多くの人が触れるアプリというコンセプトから、背景デザインの美しさやシンプルなインタフェースなどに気を配ったという。
同アプリの素材には、同大学が所蔵する室町時代~近世までの貴重な写本の中から、変体仮名のサンプルを1文字ずつ選び、抽出したものを用いた。これらの仮名に対して、「字母」(変体仮名の元となる漢字)を同大学職員で書家の渡部大語氏が付し、変体仮名と元の漢字および読みを学習可能とした。なお、同アプリの開発を手がけたプログラマーのファーゴ・マット氏によれば、同アプリは変体仮名・字母などの文字情報をクラウド上から読み込んで表示しているため、今後のアップデートによって、異なる時代の変体仮名なども学習可能な拡張性を持っているという。