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ヘッドホンは「アンティーク」になれる - finalのショールームで自社開発ドライバーへのこだわりとチャレンジスピリットを体感した

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ヘッドホンは「アンティーク」になれる - finalのショールームで自社開発ドライバーへのこだわりとチャレンジスピリットを体感した
●finalのブランドストリー
S’NEXTは11月7日に、神奈川県川崎市にfinalブランドのショールームをオープンする。10月28日・29日に開催されたプレス向け内覧会では、finalのブランドヒストリーや今度の展開について、代表取締役社長の細尾満氏が語ってくれた。

ショールームの所在地は神奈川県川崎市幸区北加瀬3-12-7。東急東横線の元住吉駅から徒歩20分の場所にある。正直かなり奥まったところにあり、筆者は住宅街をさまよいながら探し当てたのだが……中に通されてびっくり。そこには洗練されたアンティークな空間が広がっていた。

○finalからfinal audio design、そしてまたfinalに

内覧会では、細尾氏の口からブランドヒストリーについて説明があった。finalは、1974年に当時ソニーのサウンドアドバイザーだった高井金盛氏が創設。
ソニー在籍中に開発したアナログレコードカートリッジを比較的安価に販売するため、自社ブランドを立ち上げたのが始まりだった。

その後は、アナログレコードカートリッジからスピーカーまで、フルセットで提供する業態に拡大。転機となったのは2007年で、大手コネクタメーカー・日本モレックスの子会社としてS’NEXT社を創設。OEM事業などを手がけはじめた。そして2009年にイヤホン・ヘッドホン事業に参入。イヤホン・ヘッドホンのブランド名は創業当初の社名「final」を採用する流れだったが、創業当初と事業内容が異なることを考慮し「final audio design」とした。

2015年現在は日本モレックスから独立し、本社を東京都品川区から神奈川県川崎市に移転。オフィスのほかハイエンド製品やドライバーの生産拠点を一体化した。
また、今後はイヤホン・ヘッドホンに留まらない幅広い製品を手がけたいという思いから、ブランド名を創業時のfinalに改めている。

●「SONOROUS」シリーズ新作ヘッドホンを公開
○ヘッドホンは「アンティーク」になれる

細尾氏の発言の中には時折、時計メーカーのブランド力や開発体制を意識したものがあった。細尾氏いわく、一般的に高く評価されている時計は、ムーブメントを自社で設計・開発しているものが多いとのこと。「ムーブメントを自社開発している時計メーカーが評価されているように、ドライバーを自社開発しているオーディオメーカーは強い」と話していた。finalは振動板のフィルターをつくる機械から自社で製造しており、細かい組立作業は自社のエンジニアが手作業で行っている。細尾氏の発言からは自社開発技術への自信がうかがえた。

また細尾氏はイヤホンやヘッドホンについて、アンティーク時計のように長く使ってもらう製品にしたいと考えている。そのため、自社製品にも修理が可能な素材や設計を採用しているという。
ショールームに形となって現れたアンティーク空間は、finalのブランドコンセプトと一致しているのだ。

○「SONOROUS」シリーズ新作ヘッドホンを公開

内覧会では、開発中の新作ヘッドホン「SONOROUS III」も紹介。10月30日発売の高級ヘッドホン「SONOROUS X」「SONOROUS VIII」の技術を採用したエントリーモデルで、発売は2016年2月を予定している。価格は35,000円前後になる見込みだ。

実際にSONOROUS IIIを試聴したが、エントリーモデルの枠を超える音場の広さに驚かされた。SONOROUS Xのピュアな音質と比較すると、多少ボーカルが主張している印象はあるが、スピード感や音のメリハリはロックやポップスに非常にマッチする。音響性能に関しては現在も調整中で、今後も改良を続けていくとのこと。

○finalの今後

アナログレコードカートリッジから始まり、これまで様々な事業ににチャレンジしてきた同社。
今後もその姿勢は変わらないようで、細尾氏からはインイヤモニターの製品化、専用アンプで駆動する3ウェイスピーカーの開発、イヤーピースの使い分け講座……など、次々とアイデアが湧き出していた。このショールームはあらゆる新事業を実現させる拠点となる「夢の第一歩」なのだと細尾氏は語る。実際に、1日がかりのイヤホン組み立て教室や専門家を招いたオーディオ勉強会、finalの工場見学会などをショールームで行う予定だという。今後の展開が実に楽しみだ。

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