「京町家」ってどうして涼しいの? 町家造りの秘密とは……
主に以下のポイントが、町家の涼しさの“秘密”と言えるでしょう。●表格子町家の通りに面した表側は、「表格子」と呼ばれる格子戸になっています。通風をよくし、光を取り入れるほか、外から中を見えにくくするブラインドの役目も。●虫籠窓(むしこまど)中二階部分に作られた、格子状の窓。これも通風の役割を担っていました。●庭一つは「通り庭」。町家の表から奥までを貫く土間のことですが、この土間部分が、人の通り道であると同時に風の通り道に。また、建物の中に、「坪庭」(小さな庭)が設けられているのも町家の特徴。
夏場には、この坪庭に打ち水をし、暑い表通りとの温度差をつくって風を呼び込みました。●「すだれ」、「すど」などのインテリアの工夫建物の造りや間取りだけでなく、室内の装いにも工夫が。夏になると「建具替え」と言って、襖や障子を、すだれや簾戸(すど。すだれをはめ込んだ建具のこと)に替え、風を通し、見た目の涼しさも演出していました。さらに床には、網代(あじろ)や藤筵(とむしろ)といった、天然素材で編んだ敷物が敷かれました。■市内には、京町家の賃貸物件も京町家は、建て替えられたり改装されたりしながらも、多くが伝統的な造りを保ったまま現存しています。京都市内には、町家の賃貸物件を扱う不動産屋もあるので、就職や転勤、入学などで京都に引っ越す人は、一度は町家に住んでみるのも面白いかもしれませんね。当面は京都に住む予定はないという人でも、町家体験は可能です。
京都には、町家を利用した宿泊施設や、レストランやカフェが数多くあるからです。京都の町家カフェには、夏場でも窓を開放して営業しているところも多く、自然の風の心地良さや、独特のしっとりした空気の中で、のんびりくつろぐことができます。京都旅行のついでに、気軽に町家体験をしてみるのもおすすめです。参考/京都市景観・まちづくりセンターHP:http://machi.hitomachi-kyoto.jp/about.html#what京都町家資料館(京都新聞):http://craft.kyoto-np.co.jp/kaibou/文●本居佳菜子(エフスタイル)