理研、京で数千km遠方の観測データを活用して天気予報の精度を向上へ
同成果は、理研 計算科学研究機構データ同化研究チームの三好建正 チームリーダー、近藤圭一 特別研究員、寺崎康児 研究員らによるもので、11月号の米科学誌「Computer」に掲載される。
スーパーコンピュータを使った天気予報を行う方法のひとつである「アンサンブル予報」では、風や気温などの時間変化を物理学の法則に基づきコンピュータで計算して将来の大気の状態を予測するシミュレーションを並行して複数実行することで同等に確からしい「パラレルワールド」を作成し、この平均やばらつきから確率的な天気予報を行う。アンサンブルデータ同化とは、このアンサンブル予報で作られたパラレルワールドに実測データを加え、すべてのパラレルワールドを誤差の範囲内に制御するもの。
理研はこれまでに、低解像度かつ単純化された全球大気シミュレーションモデルである「SPEEDYモデル」を用いたシミュレーション実験によりアンサンブルデータ同化を行っていたが、データ量、計算量、ファイル数が大規模となる現実大気の実際の観測データを用いたものではなかった。
今回の研究では、京を活用することで、現実大気の実際の2011年11月の観測データと、解像度112kmの全球大気モデル「NICAM」を使った10,240個のアンサンブルデータ同化に成功。この結果、北米大陸五大湖付近の観測データの影響が、はるか数千km遠方まで及ぶ相関パターンを発見したという。
今後は、計算コストを抑えながら効果的に観測データの影響範囲を広げる方法を研究し、GPMによる衛星観測データなどさまざまな観測データを現在よりさらに効果的に活用することで、実際の天気予報シミュレーションの精度向上が期待できるとしている。
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