東京都・浅草で粗末なぼろ布にあらわれた思いがけない美の世界の展覧会
同展は、小さな布の切れ端や糸屑を縫い合わせ、何世代にもわたって大切にされてきたぼろ布の思いがけない美の世界を鑑賞するもの。暖房などないに等しいかつての日本では、冬の寒さは過酷で、小さな布の切れ端や糸屑さえも大事な財産だったという。一着の着物を何世代に渡って着、綻びにはツギを当て、過酷な寒さから身を守るために粗い布を重ね合わせ、刺し子を施して補強し、それでも使えなくなった着物は細く裂いて、それで再び新しい布を織っていた。その着古してボロボロになった着物や布、「BORO(ぼろ)」は今、世界のアートシーンで通用する言葉になりつつあるという。
大切な布を少しでも長持ちさせるためにかけられた膨大な手間と時間や、家族のために培われた手仕事の技術と美的感覚は、図らずも複雑なパッチワークを成し、経年の趣をまとい、消費文明の対極の圧倒的な布文化を生み出していったという。粗末なぼろ布にあらわれた思いがけない美の世界からは、物を作り、慈しみ、使い切る充足感と、困難に負けない真の力強さが読み取れるということだ。
また、「ぼろ」には地域により特色があり、それぞれに豊かな個性を持っている。同展では、京都や中国地方の「ぼろ」に加え、常設展の青森の「ぼろ」も比較して鑑賞することができるということだ。
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