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作曲家/プロデューサーのJeff MiyaharaがiPad Proをチェック - これなら湧き上がったアイディアを逃さない!

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作曲家/プロデューサーのJeff MiyaharaがiPad Proをチェック - これなら湧き上がったアイディアを逃さない!
●とにかくiPad Proには一目惚れです、やりたいことが一台で全部できます
JUJU、西野カナ、JASMINEらをプロデュースし、少女時代、東方神起、SOL(BIGBANG)、シェネル、Boyz II Menなど海外アーティストの作品を手がける作曲家/音楽プロデューサーのJeff Miyahara氏が本日発売となったiPad Proに早速トライ! ファーストインプレッションを綴って頂いた。

まず、デザイン、これは見た瞬間に一目惚れでした。スクリーンが大きくて見やすいのはもちろんですけど、iPad Proは、初めて起動したときの感動がとても大きいです。どんなデバイスであっても、どんなテクノロジーであっても、最初の印象が大事で、一目惚れできるかできないかってところは重要ですから。アップルの製品は、どれも一目惚れの要素が強烈なんですけど、iPad Proについては、これこれ、これを待っていたんだっていうのが率直な印象です。以前から大きいiPadが出るという噂は耳にしていて、情報も追いかけていましたし、9月に行われたスペシャルイベントもじっくりと見ていましたが、実際にモノを見た瞬間に、ああこれだなと。グラフィックス、ストレージ、メモリ、CPU、画面の大きさ、どれをとっても申し分ないのではないでしょうか。コンピューティングの未来がこの中に詰まっていると確信しています。


以前だと、iPhoneやiPadをモバイル環境で使って制作したものを、スタジオなどでMacに流し込んで作業を引き継ぐっていうのが一般的でしたけど、これで事情が変わるんじゃないかっていうくらい衝撃でかいです。

Mac OS用のアプリとiOS用のアプリの差も小さくなっているのもポイントです。使い方もユーザーインターフェースも近付いているところに、iPad Pro専用のキーボードカバー「Smart Keyboard」が加わることで、Mac的なキーボードショーカットが使えるようになり、使いやすさ、スピード感に加えて、自分にとって重要なクリエイティヴィティが生まれやすくなってくるだろうなと予想してます。MacBookやMacBook Proで、自分はこうやって使いたんだけどというイメージがあったのですが、それを具現化してくれるのがiPad Proなのではないかと。プロフェッショナルな音楽制作ツールとして、Pro ToolsやPCIカードといったサードパーティが提供するソリューションがないとダメという状況がかつてはあったのですが、それはそれで、職人の選択としてありつつ、クリエイティヴな自分、ビジネスマンとしての自分がやりたいことはiPad Proで全部出来てしまうイメージですね。

様々な局面で発生していたタイムラグも非常に少ないというのもインパクト大です。このあたりはデスクトップクラスの64ビットアーキテクチャを搭載したA9Xチップに依るところが大きいのでしょう。「Smart Keyboard」も新しいインターフェース「Smart Connector」のおかげで、ペアリングの必要ナシ、スイッチ入れる必要ナシになったうえ、キータッチのレスポンスもとても良いです。
サードパーティ製のBluetoothキーボードはすぐ使うことが出来なかったり、反応が良くないことがあったのですが、まず、このストレスから開放されました。ペン型の入力デバイス「Apple Pencil」も素晴らしいです。Apple Pencilも、非常にレスポンスがよく、楽器を触っているような感覚で使えます。GarageBandでドラムのパートを打ち込むのに、スティックに見立てて画面を叩いてみたりしましたが、使ってみて、冗談抜きで2本欲しくなりましたね。画面が大きいからGarageBandのミキサーのフェーダーやソフトウェア・シンセサイザーのツマミの操作も楽というのはありますが、それ以上に、Apple Pencilでは繊細なコントロールが出来ます。微細な動きも捉えてくれるので、細かいニュアンスを表現するのに非常に向いていると感じました。現在のGarageBandのバージョンでは、ボリュームの情報などをApple Pencilで書き込むことはできないのですが、これは次期バージョンでの対応を期待したいです。プロユースのアプリでは「Cubasis」や「Auria」がコントロールカーブを入力できるので、この辺りのアプリもApple Pencilでの操作感を試してみたいですね。


音の話になったので、スピーカーについても触れておきます。四隅に配置されたスピーカーは、どれからもローが出ているのですが、iPad Proを設置した際、上方となる左右はミッドからハイのスピーカーとなって、高い周波数帯が出力されるという特徴的な機構を備えています。この調整は自動で行ってくれ、縦向き、横向き、どちらでもベストなバランスでのリスニング環境を提供してくれます。薄いボディからは想像できないくらいの音量が出るので、音楽を聴くのはもちろん、映画やゲームでも迫力のあるサウンドを楽しめます。スマートフォンやタブレットで音楽を聴くというのは当たり前になってきているので、僕らもそういったリスニング環境でもいい音で聞こえるようなサウンドプロダクションを考えていますが、こうなってくると、iPad Proをリファレンスモニターとして使用するという場面が出てくるでしょうね。音の基準もiPad Proになるという。

(Photograph SHOWMOV)

●iPad Proなら、浮かんだアイディアを逃さない
そして、iPad Proを快適に使えるツールに仕立て上げるのに活躍しているのがiOS 9です。iOS 9の出来も、もの凄く良いです。
僕は「Slide Over」「Split View」「Picture in Picture」というiPad向けのマルチタスク機能を高く評価していているのですが、特に「Split View」は重宝しています。Macを使って作業しているとき、Pro Toolsを使いながら、更なるインスピレーションを得ようと写真を見たり、Safariを起動してリサーチするといったことをしていたのですが、これで同じことが出来るようになりました。iPad Airの画面二枚分がいっぺんに使えてしまうので、作業領域も広々としています。音楽制作は、3D的な部分があり、音楽、ビジュアルなどを含めてトータル的なエンターテインメントだと考えていて、さまざまな事柄にインスパイアされて作られていくのだと思っているのですが、そうした方法論でクリエイトしていくようなタイプの人にはピッタリなのではないでしょうか。

iPad Proは自分にとっては初代iMacが出たとき以来の革命的なプロダクトという感覚です。iMacも最初に発表時、モニタからCD-ROMドライブまで全部入っていて、その一方でフロッピーディスクを廃止したりと、大胆なアプローチをしていましたけど、あの感覚を思い出さずにはいられません。iMacの登場というのが、その後のデスクトップ/モバイルコンピューティングのベンチマークになったということに異論はないでしょうが、iPad Proもまさにそんなような存在になるのではないでしょうか。可搬性が高いと言ってもMacBookシリーズでは、ネットワークにつながるにはモバイルWi-Fiやテザリング端末を一緒に携行しなければなりませんでしたが、Cellularモデルなら、それらの必要もなくなりますし、先ほども指摘した通り、作曲はもちろん、ジャケットやアーティスト写真、MVの素材のチェックなどなど、一通りのことができますから、これ一台で仕事が完結しちゃいます。
自分が検索したいこと、見たいもの、書きたいもの、作りたいもの、全部がiPad ProだけでOKとなるのです。思い描いたものが全てできてしまう、これはアップルが僕らに与えてくれたレッドカーペットなのだと思えるくらいの製品だと言えるでしょうね。タブレットはアップル以外からも、さまざまなメーカーからたくさんの機種が出ていますが、iPad Proはそのマーケットを圧倒的に支配していくのではないかと。iPad Proの登場で、iPadもよりその存在感を示すこととなる気がしています。ここへ来て、iPadはiPadになったと表現したら良いのでしょうか。いいんですか? 一つのものにこんなにあらゆるものを入れちゃって? アップルさん、自分でハードル上げてません? 次の製品、これを越えるのを作らなきゃいけないんですよ? と案じたくなるレベルです。

思いついたことをパッと、Apple Pencilで書き留めておくこともできるし、音楽制作以前のスケッチや構想をまとめておくのも楽になったと感じます。これなら、浮かんだアイディアや湧き上がったインスピレーションを逃すこともなくなるでしょう。
さらに言うと、iCloud経由でデータのやりとりが出来るので、モバイル環境で制作したものを、その他の環境に移動させるのもプラットフォームを気にせずに行えるようになったところは強調しておきたいですところです。先ほどの職人の要求にもしっかり応えてくれます。

エントリーユーザーからプロフェッショルまで、幅広いユーザーのニーズに応えてくれるのは本当に嬉しいですよね。いわゆる業務用のツールは「ポップさ」に欠けるところがあって、長時間の使用がしんどいこともあったりしますが、iPad Proはそれがなく、アミューズメントな部分とキッチリした仕事を行ったり来たりできるのも良いです。僕は遊びと仕事がシームレスになっているようなところがあるのですが、そういうワークスタイルの人には選択肢として大いにアリだと思います。本当にオールマイティなので、ファースト・コンピュータとしてお勧めできます。唯一、改善を望むとしたら、Apple Pencilを一緒に持ち運ぶためのホルダーが欲しいというとこでしょうか。失くしてしまいそうなので。
これはサードパーティからLightningコネクタを利用するタイプのアタッチメントが発売されるようなので、あまり気にしなくても良いのかもしれませんが。それと、充電中のApple Pencilのキャップ部分、これも紛失してしまいそうなので、ここにGPSを仕込んで「Find My Cap」みたいなアプリができると安心かなと。半分冗談ですが、キャップについてもサードパーティから、あるいはアップル純正のApple Pencilに装着しておけるアタッチメントが出てくるのを待ってます。

ざっと、iPad Proの第一印象をお伝えしてきましたが、このレビュー、続きます。次回は実際に曲を作って、お聴かせしたいと思ってますのでご期待ください!!

(Photograph SHOWMOV)

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