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東京都から1時間半! 外国人も喜ぶ静岡県・伊豆長岡温泉はココがスゴい

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東京都から1時間半! 外国人も喜ぶ静岡県・伊豆長岡温泉はココがスゴい
●北原白秋が命名した創業百年の老舗温泉宿が一泊2食6,500円~にできるわけ
東京から1時間半の鉄道旅で行ける温泉地「伊豆長岡温泉」(静岡県伊豆の国市)。伊豆の温泉では破格の一泊2食6,500円(※)から利用できる老舗温泉宿のほか、周辺には2015年に世界遺産の仲間入りを果たした「韮山反射炉」、そして、富士山の絶景が楽しめる「伊豆の国パノラマパーク」と、国内外の観光客を惹きつける魅力がいっぱい。そこで今回、伊豆長岡温泉とともに楽しみたい話題の観光地を紹介しよう。

○川端康成や北原白秋が愛した宿

伊豆長岡温泉内には30軒を超える旅館やホテルがあるが、その中でも宿泊客の実に2人にひとりが外国人観光客という人気温泉宿が「南山荘」だ。南山荘は明治43年(1911)創業、100有余年の歴史を有す老舗旅館で、創業者は伊豆長岡温泉の開祖として知られる大和宇平翁。開業当初は「大和館」と呼ばれていたが、離れ竣工後、訪れた歌人の北原白秋によって「南山荘」と命名された。そして、昭和初期にはノーベル賞作家の川端康成にも愛された歴史ある温泉宿である。

伊豆箱根鉄道駿豆線「伊豆長岡駅」から車で5分のところにある南山荘は、赤松やもみじ、桜が生い茂る約8,000坪の敷地の中に、数寄屋造りの離れ風の客室を設けている。
離れ客室は16畳と広く、床の間はもちろん広い縁側もあり、壁や天井には竹や檜の経木を編んだ網代を、窓の下には下地窓を設けるなど、純和風建築の意匠美を見ることができる。

何より、この美麗な客室をひとりで利用しても一泊2食8,000円からというからうれしい。離れへ向かう階段は迷路みたいに広がっていて、高齢や足の悪い方には本館がオススメだが、建築が好きな方などには館内の探検も楽しい。離れの先にある朱塗りの橋「宇平橋」には双竜の伝説が伝えられている。

○老舗本格旅館が格安に挑んだサービス

館内では多くの外国人観光客に出会うが、最も多いのは中国人観光客、その他では欧米客が多いという。外国人が増え始めたのは2015年、積極的に海外へのプロモーションを行うようになってから。素泊まりなら5人1室でひとり5,000円から、2食付でも6,500円からと、伊豆の温泉としては破格の安さで利用できる。

こうしたリーズナブルな料金の旅館スタイルになったのは2003年。
これに伴って、布団の上げ下ろしなどをセルフサービスとした。食事は夕食に懐石料理の二段重ねのお弁当、朝食は一汁三菜ビュッフェとシンプルで、夕食にはスイーツとコーヒーがつく。ガッツリ食べたい男子にはちょっと物足りないかもしれないが、宿からは近くの店を紹介してもらったり、海鮮丼などの出前をとったりすることもできる。

南山荘の温泉は2つの源泉と、天気のいい日には富士山を眺めることができる富士見風呂、四国の名石「青石」をふんだんに使った石風呂、露天風呂(冬季クローズ)の3つの風呂があり、それぞれ男女時間入れ替え制で利用することができる。湯量泉質ともに伊豆随一、24時間かけ流しの天然温泉。美肌、心身の鎮静、身体の芯から温める効果が得られるPH9.0のアルカリ性泉で、人間の細胞液より浸透圧が低く、湯あたりしにくく、やわらかな湯とされる。

※価格は全て税込。南山荘は別途、宿泊入湯税150円が必要

●世界遺産「韮山反射炉」に超絶風景での足湯、癒やしのみかんは食べ放題で
○韮山反射炉までも駅からバスで楽々

伊豆長岡温泉の魅力は温泉宿だけではない。
周辺には2015年に「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産の仲間入りを果たした韮山反射炉があり、今最もホットな観光地のひとつとなっている。土日祝には伊豆長岡駅と韮山反射炉をつなぐ循環バス(1乗車100円)が運行されており、駐車場や反射炉物産館も整備され、平日でも大型バスが次々やってきて大変なにぎわいを見せている。

○富士山の望む360度の絶景を足湯とともに

伊豆の国市には富士山と駿河湾を一望する絶景スポットがある。それが、伊豆長岡温泉から徒歩15分のところにある「伊豆の国パノラマパーク」だ。伊豆長岡駅から行くなら、伊豆箱根バス「伊豆の国市役所前」から徒歩1分となる。ロープウェイで標高452mのかつらぎ山に上れば、視界360度の展望台や富士山を眺められる足湯、散策コースやパワースポット、茶屋などがあり、天空散歩や食事やスイーツも楽しめる。

ロープウェイを下りてまず楽しみたいのが、「富士山展望デッキ」からの富士山と駿河湾の眺めだ。これから初冠雪も待たれるが、美しい富士の裾野とその下に広がる駿河湾は実に絵になる。
また、その隣には無料の「富士見の足湯」がある。足湯につかって富士山の絶景を眺めるなんて他ではなかなかできない特別な体験だ。売店には足湯用のビニールソックス(100円)もあるが、ぜひ素足でその気持ち良さを味わってほしい。

○木道散策の後は名物の団子で小休止

足湯を出たら山頂展望広場に向かってみよう。途中には平安時代からここにあり、山の名の由来となった「葛城神社」や「下駄供養塚」、鎌倉時代からここに鎮座するという105体の「百体地蔵尊」などのパワースポットもあり、百体地蔵尊には願懸け地蔵を奉納することもできる。

山頂から緑に囲まれた木道「ボードウォーク」は特に美しい散策路で、その先には恋人の聖地に認定された「幸せの鐘」がある。「さえずりの丘展望台」からは天城、修善寺方面が見渡せ、「富士見のブランコ」ではその名の通り、富士山を眺められる。散策の後は「みはらし茶屋」で軽食をとるも良し、名物の「富士見だんご」(350円)、「クリームあんみつ」(500円)などのスイーツを楽しむのも良し。


○400円でフレッシュみかん食べ放題!

また、これからの秋~冬季節にぜひ訪れたいのが、伊豆長岡駅から車で10分程度のところにある「小坂(おさか)みかん共同農園」だ。ここには約8,000本のみかんの木があり、入園料400円でみかん狩りができる。

しかも時間無制限で食べ放題で、プラス500円でお土産用にみかん詰め放題もできるのだ。さらに、園内で「お宝プレート」を見つけるとみかん一袋がプレゼントされるサービスも。もぎたてのみかんは口にふくむと口の中にフレッシュな"みかんシャワー"があふれ出す。スーパーで買ったみかんでは絶対に味わえないおいしさである。

みかんの甘さは12月マックスになるという。2015年度は2016年1月5日まで楽しめるので、年末年始遊びに行くのもいいだろう。


※記事中の情報は2015年10月のもの。価格は税込

○筆者プロフィール: 水津陽子

フォーティR&C代表、経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。著書に『日本人がだけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)等がある。

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