2015年11月19日 17:57
エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち - (344) SEALDsと70年代安保に通じるSNSへの0.2な誤解
○懐かしい若者ら
この夏以降、あちらこちらで「SEALDs(シールズ)とは何者か?」と尋ねられました。安保法制を巡る報道で、「SNSで集まった若者の代表」という紹介のされ方から、Webの専門家としての解説を求められたのです。
筆者は「懐かしい若者ですよ」と答えていました。その心は「恐れを知らない世間知らずな若者」であり、70年代安保における学生デモと同じだからです。そして、同世代の若者の代表などではないと注釈を加えたうえで、その理由を「SNSで集まっている」からと説明しています。
現代的なコミュニケーションツールである「SNS」。これを介して集まった若者が「70年代安保」と同じ。この理解には「SNS」に対する0.2な誤解を解く必要があります。
○アラブの春がもたらしたもの
圧政に苦しむ中東諸国で、SNSによりつながった国民が、独裁政権を打倒したとされる「アラブの春」。まるでSNSが政権を打倒したかに喧伝されたことが誤解の出発点です。アラブ諸国におけるSNSとは、携帯電話やスマホとの組み合わせにより誕生した、低コストの通信インフラに過ぎません。だから、民主化を求める市民も、混乱を望む連中も使っています。