かまいたちマネ・樺澤まどか、歌手との二刀流生活を語る 気持ちは99%マネも「バズる曲を生み出したい」
●初の作詞作曲は「追い込まれて作り出した」 反響に喜び
お笑いコンビ・かまいたち、とろサーモンのマネージャーを務める吉本興業の社員で、吉本坂46のメンバーでもある樺澤まどか。美人マネージャーと話題を呼び、今年6月と11月に単独ライブを開催、11月15日にはデビューシングル「卑屈のうた」を配信リリースし、シンガーソングライターとしてソロデビューも果たした。マネージャーと歌手の2つの顔を持つ樺澤にインタビューし、二刀流生活や今後の野望について話を聞いた。
――「卑屈のうた」でソロデビューされましたが、その経緯を教えてください。
今年6月にヨシモト∞ドームIIで開催した初の単独ライブ「樺澤まどかワンマンショー2021 summer」でオリジナルソングを作って披露し、その映像をかまいたちのYouTubeチャンネルで流したら反響があったので、吉本の音楽の部署の方が「配信してみない?」と提案してくれて配信することになりました。
――デビューが決まったときの心境は?
「面白そう!」という本当に軽い気持ちでした(笑)
――ワンマンショーはどういったきっかけで開催することになったのでしょうか。
マネージャーがヨシモト∞ドームを使って企画できるという、企画の募集が行われていて、かまいたちのYouTubeにも出ていてファンもいるだろうからということで、先輩のマネージャーが企画を出してくれていて。企画が通った段階で「決まったからやるよ」と言われて、「え~!?」と驚きました。
――そのライブで、オリジナルソングを披露することに。
いろんな有名な曲をカバーしたんですけど、一つチャレンジ企画をやったほうが喜んでもらえるんじゃないかということになり、作詞作曲することになりました。
――作詞作曲はもともと勉強されていたのでしょうか?
初めてでした。本当に素人なのでどうしたらいいかわからなくて、前々日くらいまで何もやってなくて。そこからコード進行を調べて決めて、ピアノはもともと習っていたので、ピアノを弾きながらコードにメロディーを当てはめて、歌いながら生み出しました。追い込まれて無理やり作り出した感じです。
――27歳の会社員ならではのリアルな気持ちを歌で表現した「卑屈のうた」は、ミュージックビデオの再生回数が30万回を超え、反響を呼んでいますね。うれしいです。
仕事もあるし、ワンマンショーにも追い込まれてきて、めんどくさいという心境をそのまま歌詞にしたんですけど、「感動しました」「共感できます」という反応が多くてびっくりしました。みんな同じように思っているんだなと思いました。
――歌はもともと得意でしたか?
得意ではないです。レコーディングしたものを聞いても、うまいとは思っていません。
●歌手活動がマネージャーの仕事にもプラスに「利用できている」
――吉本興業に入社した思いも教えてください。就職活動で一度は落ち、冬の2次募集で合格したそうで、相当強い思いがあったのかなと思うのですが。
中学生の時にネタ番組でCOWCOWの漫才を見て面白いと思い、単独ライブにも行くようになり、COWCOWきっかけでお笑いが好きになりました。そして、COWCOWの単独ライブに行った時に女性のマネージャーがテキパキ仕事をしていてカッコよくて、私もああなりたいって思い、吉本しか行きたくないと思っていたので、1回落ちたんですけど再チャレンジしました。
――昨年6月からかまいたちさん、とろサーモンさんを担当されているとのことですが、マネージャーの日々のお仕事を教えてください。
メールや電話でオファーなどをいただくので、スケジュールを調整するというのが主な仕事です。あとは、ギャラの交渉や、終わった仕事の請求書の発行などがあり、そういった作業をしながら現場に同行してタレントのフォローをします。
――思い描いていたマネージャーの仕事と違ったことはありますか?
大変そうだと思っていて、それはその通りでしたが、地味な作業が多いのは意外でした。現場に同行してバリバリやるという感じではなく、デスクワークのほうが多いです。
――歌手との二刀流生活はいかがですか?
本業であるマネージャーが99%くらいの気持ちで、アーティスト活動は余裕があるときに考えるという感じです。でも、あまり仕事の区別をつけてないかもしれません。マネージャーとして現場に行くとスタッフさんから「曲聴きました」と言ってもらうことも多く、マネージャーの仕事にアーティスト活動が利用できているなと感じるので、区切らずに考えています。
――相乗効果を感じているんですね。
はい。「樺澤さんだ」って覚えてもらえて、コミュニケーションとりやすくなり、仕事がしやすくなりました。今の担当以外の芸人を担当したときに「樺澤さんが担当している芸人さんってこの人なんだ」って、私きっかけで芸人を知ってもらえたらいいなと。今も、もともとかまいたちファンで、私を知って、そこからとろサーモンのYouTubeも見るようになったと言ってくれる人もいるので、アーティスト活動を利用できているなと感じます。
――「卑屈のうた」をリリースした11月15日には、2度目の単独ライブ「樺澤まどか生誕祭2021」をヨシモト∞ドームIで開催されました。会場チケットは完売し、配信チケットも380枚売れたと聞きました。
タレントを担当していると配信500枚売りたいというのが一つ目標になっているので、500枚いきたかったという思いがありますが、ありがたいです。
ただ、あまり自信を持って勧められるクオリティではなかったので、反省しています。
――反省点を教えてください。
新曲を披露したんですけど、自分で作った曲なのに歌詞を全く覚えていなくて、練習不足でした。ごまかしながら歌って、「もう1回やらせてください!」という感じで2回歌って。あれではダメだなと反省しました。
●「香水」のようなバズる曲を!「印税だけで暮らせるくらい(笑)」
――アーティストとして活動するようになって、かまいたちさん、とろサーモンさんとの関係性は変わりましたか?
変わりました。山内(健司)は「何してんねん」ってツッコミながら応援してくれていて、濱家(隆一)は「自分で切り開いていく感じ、尊敬するわ」って感心してくれちゃっていて、関係性が近くなった感じはします。とろサーモンは、「痛いマネージャーやな」と言いながらも応援してくれていて、YouTubeでいじったりしてくれています。
――山内さんはSNSで樺澤さんのライブを告知したり、愛を感じます。
そうなんです。「いいね!」を押してくれたり、リツイートしてくれたりして、優しいなと思います(笑)
――12月10日にルミネtheよしもとで「とろサーモン 20th Anniversary Live『G.O.A.T』」が開催されますが、樺澤さんはどんな関わり方をされているのでしょうか。
打ち合わせに参加してポスターのデザインについて話し合って、イラストレーターさんに発注したり、ライブのグッズの内容を一緒に考えたり、ネタの内容をチェックしたりなど細かいサポートをしています。――今後、樺澤さんご自身はどうなっていきたいと考えていますか?
将来の夢がないんですよね。もともと吉本に入るのが夢でしたが、入ってから全然想像してなかった日々になっているので、考えても無駄だなと思っていて(笑)。でも、やりたかったマネージャーの仕事ができているので、これからも続けていけたら。そして、音楽活動もさせてもらっているので、それをマネージャーの仕事に生かしていきたいと思います。
――担当する芸人さんは変わる可能性があるんですよね?
そうなんです。いつ変わるのかなって怯えています。できれば2組をずっとやっていたいですけど、たまに私じゃなかったらどうなっていくのか見たいなと思うこともあります。ベテランのマネージャーだったらどうするんだろうって。
――2組とも樺澤さんをYouTubeに登場させたりして楽しまれているようですし、ずっと担当してほしいと思っているのでは?
そう思ってもらえるマネージャーでいたいです。
――アーティストとしての野望も教えてください。
せっかくやらせてもらっているので、1曲くらいバズる曲を生み出したいです。「香水」(瑛人)くらいバズって、印税だけで暮らせるくらいまでになりたいですね(笑)。大きすぎる野望ですけど、一番はそれです。
――作詞作曲を引き続き頑張って、名曲を目指すわけですね!
そうですね。何が流行るのかアンテナを貼りつつ、作詞作曲の勉強を続けて、時間があるときに新曲作りをコツコツとやっていきたいと思います。
――アーティストとしての大きな野望を伺いましたが、気持ち的には99%マネージャーというバランスはいずれ変わっていく可能性もあるのでしょうか?
そこは変わっちゃいけないと思っています。あくまでもマネージャーの仕事を第一に考えてやっていきたいです。
■樺澤まどか
1994年11月15日生まれ、群馬県出身。2019年4月に吉本興業入社。2020年6月より、かまいたち、とろサーモンのマネージャーを務めている。2019年12月に2期生として吉本坂46に加入し、アイドルとしての活動もスタート。2021年6月に初の単独ライブ「樺澤まどかワンマンショー2021 summer」を開催し、作詞・作曲した「卑屈のうた」を披露。同楽曲は11月15日に配信リリースされ、ソロデビューも果たした。同日、2度目の単独ライブ「樺澤まどか生誕祭2021」を開催した。