2015年11月25日 16:40
群馬大など、マウス生体で炎症を起こした部分のみを光らせることに成功
群馬大学(群馬大)は11月24日、熊本大学と理化学研究所およびトランスジェニックとの共同研究により、ホタルの発光機構と炎症反応を組み合わせ、炎症が生じた部分を明るく光らせることのできる遺伝子組換えマウスの作製に成功したと発表した。
同成果は、群馬大学大学院医学系研究科 岩脇隆夫 講師らの研究グループによるもので、11月24日付けの英科学誌「Scientific Reports」電子版に掲載された。
炎症反応のメカニズムは不明な部分も多いが、大抵の場合は細胞の傷害や菌・ウイルスの感染を免疫系細胞が感知し、炎症性サイトカインと呼ばれるタンパク質が産生・分泌されることにより起こる。炎症性サイトカインのひとつである「インターロイキン-1β」は、その成熟型が細胞外へ分泌されて炎症反応を引き起こすが、その産生・分泌を調節する仕組みは特徴的で、プロモーターに依存する転写活性化、「インフラマソーム」と呼ばれる酵素複合体を通じたタンパク質切断という2段階の生体反応を必要とする。
同研究グループは、生物発光反応を触媒する酵素「ルシフェラーゼ」の遺伝子にインターロイキン-1β遺伝子と分解シグナル遺伝子を順に連結し、それをインターロイキン-1βのプロモーター制御下においた人工遺伝子を作成した。