25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座 (29) テロ組織による「新兵リクルート」が加熱
仕事柄、今回のテロ事件の映像をたくさん見ていると、あることに気がついた。それはIS(Islamic State)とアルカイダの違いだ。
○絶句するISテロメンバーの親たち
アルカイダは本部・支部が指令系統で動く中央集権的組織。資金力もあり、911のような大規模テロを綿密に計画して時間をかけ実行する。対して、ISは組織図が不明瞭で、地方分権的な集団だ。少人数のテロリストグループが無作為に各地に形成され、殺戮行為を繰り返す。標的も、サッカー場から街中のレストラン、そして民間ロシア機に至るまで、多様化している。ゆえに「次の標的」を特定しにくい。
場合によっては、イスラム教徒を巻き込む可能性が高くても、無機質に実行に及ぶ。その点、アルカイダは、イスラム教徒に危害が及ぶ状況は避ける傾向があった。
更に、ISは、少人数で無作為に動くので、国境警備の網をすり抜けやすい。そして、ISのテロリストは、両親が自慢の息子だったりする。家庭内で自分の部屋に引きこもり、ジハード思想に染まり、過激化してゆく過程で、家族でさえ気が付かない事例も少なくない。まさか、と絶句する母の顔が映った映像が忘れられない。息子は、親孝行な29歳だったという。