2015年11月27日 09:00
インフルエンザ予防接種をしても感染する理由、検査の限界を専門医に聞いた
毎年冬になると流行し、学校や職場などで感染拡大が叫ばれる「インフルエンザ」。重症化すると死にいたることもあり、予防が欠かせない病気だ。ワクチンの予防接種が有効とされているが、接種しても感染することがあると聞く。では、どのような対策が適切なのだろうか。
そこで今回は、インフルエンザウイルスの特徴とワクチンの有効性、適切な予防法などについて、順天堂大学大学院 医学研究科感染制御科学講座 山本典生准教授にお聞きした。
○インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる急性感染症の一種で、通常の風邪とは異なる病気のこと。ここで、風邪とインフルエンザの違いからおさらいしてみよう。主な違いは次のとおり。
■風邪(普通感冒)
病原体: ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスC
主な症状: 鼻水、くしゃみ、咳(せき)
悪寒: 軽度、極めて短期
熱: 37.5度前後
合併症: まれ
■インフルエンザ
病原体: インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB
主な症状: 発熱、筋肉痛、関節痛
悪寒: 高度
熱: 38~40度
合併症: 気管支炎、肺炎、脳症
高熱などの症状のつらさに加え、合併症リスクが高いこともインフルエンザの怖いところだ。