12インチ画面でも厚さ約6.9mm、重さ約579gを実現 - 東芝の薄型軽量Windows 10タブレット「dynaPad N72」
東芝から、専用キーボードとワコム共同開発のデジタイザーペンが付属する Windowsタブレット「dynaPad N72」が発表されている。12型ディスプレイを搭載しながら、厚さ約6.9mm、重量約579gと薄型・軽量化を実現した製品だ。Microsoft Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービスも付属している。試用機に触れる機会を得たので、インプレッションをお伝えしよう。なお、製品版とは細部が異なる可能性があることを、あらかじめお断りしておく。
○指先で持てる軽さと高剛性を両立
dynaPad N72は、軽量かつ高剛性のカーボンとプラスチック樹脂の一体成型ボディを採用したWindowsタブレットだ。ディスプレイは12.0型WUXGA+(1,920×1,280ドット)で、堅牢で割れにくい薄型強化ガラス「Corning Gorilla Glass 3」によって保護。ガラスの表面に耐指紋コーティングを施すことで、指紋がつきにくいよう配慮している。
タブレットのサイズは約W299.4×D203×H6.9mm、重量は約579g。12インチの大型ディスプレイを採用しているが、手に持ってみると予想以上に薄く、指先で持てるほどに軽い。タブレット背面やキーボードドック底面は、滑りにくく指紋の付きにくいラバーペイント仕上げだ。
○付属の専用キーボードを含めても1kg以下
着脱式のキーボードは、タブレット本体と同じサテンゴールドのカラーリング。配列は日本語87キーと、文字キーはほぼ標準の配列だ。フルサイズキーボード相当となる19mmピッチのキーが採用されているため、打鍵にも違和感がない。キートップ中央には0.2mmのへこみがあり、確かな指掛かりを感じる。キーストロークは15mmだ。
加えて、サイズは小さいがクリックパッドも搭載している。タブレット本体とキーボードを組み合わせた際のサイズはW299.4×D203×H14.9mmだ。重量は約999gで、ぎりぎりではあるが、1kgを下回る。
さらに、ワコム社と協業して開発されたアクティブ静電結合方式のデジタイザーペンが付属。2,048段階の感圧センサーを内蔵しているため、筆圧に応じて線の太さや濃淡を微妙に変えられる。毛筆のような、「はね」や「はらい」のある文字を書くことも可能だ。
●Windows 10を快適に動作させるインテルのSoC「Cherry Trail」
続いて、これらのハードウェアを駆動させる、タブレット本体のスペックを確認しておこう。CPUには"Cherry Trail"こと、Intel Atom x5-Z8300を搭載。
定格クロック1.44GHz(最大1.84GHz)で動作する4コア/4スレッドCPUとなり、dynaPad N72に搭載された多数のオリジナルアプリも軽快に動く。メモリはDDR3L-1600の4GBとなり、追加や交換は行えない。ストレージには128GBの東芝製フラッシュメモリを採用しており、高速なアクセスでプリインストールOSのWindows 10 Home(64bit)も不満なく使える。
前面には約200万画素、背面には約800万画素のWebカメラを搭載。主なインタフェースは先述の通り、microUSB 2.0×2、micro HDMI×1、microSDカードスロット×1だ。通信機能は無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac)とBluetooth 4.0に対応し、高速な無線ネットワークやさまざまなBluetooth機器が使える。バッテリ駆動時間の公称値は約7時間だ(JEITA 2.0)。
○ベンチマークで見るdynaPad N72
ここまで確認したスペックをもとに、各種ベンチマークテストを試していこう。
システム評価ツール「WinSAT formal」を利用して計測したWindowsエクスぺリエンス インデックスの結果は以下の通り。ゲーム用グラフィックスの値は計測されないため、こちらの値は無視してほしい。フラッシュメモリのランダムアクセス速度が功を奏してか、プライマリハードディスクの値が優秀だ。
続いて「CINEBENCH R15」を利用したCPUのベンチマーク。タブレット向けCPUではさすがにこのテストは重いようで、計測終了まで時間がかかった。とはいえ、本来デスクトップPCでも高負荷がかかるテストであるため、タブレットとしては健闘しているほうだろう。
PCの総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」の結果もまた、ここまでのテスト結果を踏まえた内容となる。モバイル端末用としてはがんばっているCPUとメモリ周り、厳しさの見えるグラフィックス周り、それらを補うストレージ速度といったところだ。
しかし、ビジネスソフトやインターネット用途などであれば、十分な動作が期待できるだろう。
●dynaPad N72の使い心地を探る
○TVや音楽、写真も快適に楽しめる独自アプリを搭載
機能面では、3Dサラウンド機能(DOLBY Digital Plus)に対応。また、テレビやレコーダーに録画した番組や放送中の番組を、自宅に設置したホームネットワーク内で楽しむことが可能。さらに自宅のレグザサーバー、レグザブルーレイに録画した番組を外出先で楽しむ「リモート視聴」にも対応する。なお、映像は超解像技術「レゾリューションプラス」により高画質化される仕様だ。
このほか、かざすだけでデータのやりとりができる近接無線通信「TransferJet(トランスファージェット)」が利用できる。対応機器にdynaPad N72を近づけるだけで、ケーブル接続も面倒な設定もなしに無線で写真データなどをやり取りすることが可能だ。
○幅広いシーンで活用する汎用タブレット
12型という大型ディスプレイを採用しながら、薄型軽量ボディを実現した「dynaPad N72」。
付属のキーボードとデジタイザーペンによって、幅広いシーンで活用できる。
キーボードの着脱を認識すると、Windows 10のUIが自動で切り替わる仕様となっており、キーボードを取り付けるとデスクトップモード、キーボードを取り外すとタブレットモードだ(自動切り替えをオフにして、手動切り替えにすることも可能)。dynaPad N72のような2 in 1タイプのタブレットPCは、Windows 10の登場によって今まで以上にその特性を発揮できるようになったと言えるだろう。
ビジネスでもプライベートでも気軽に持ち運べるのはもちろん、自宅のソファに腰を沈めてdynaPad N72を抱えたり、膝の上に乗せて文字を入力したり、というようなスタイルでもストレスなく使える。12型というディスプレイサイズを生かして、複数人でお絵かきを楽しんだり、映像コンテンツを楽しんだり、というような使い方もできそうだ。