馬とスローな旅を神秘の国キルギスで! そこはただただ美しかった--写真10枚
今回はそんな自然との一体感を味わえるキルギスの旅を、米国サイト「Bored Panda」よりお届けしよう。
○2頭の馬と行くキルギスの旅
このスローな旅をしつつ、キルギスの美しい自然を撮影したのはマレーシア・クアラルンプール出身の冒険家&映像制作者のZahariz氏。彼は6週間をかけ、たったひとりでキルギスの原野や山を旅したという。
旅の道連れは2頭の馬だけ。まるでシルクロード時代の旅人のように馬にまたがり、ゆっくりと移ろう景色を眺めながら雄大な自然の中を進んで行った。
○連なる山と草原と青く輝くイシククル湖
国土の93%が標高1,500m、40%が3,000mを超えるというキルギス。「中央アジアのスイス」という異名の通り山脈が連なり、最高峰のポベーダ山は標高7,439mを誇る。
Zahariz氏が旅をしたのは美しく広大な湖・イシククル湖のあるイシククル州と、隣接したナルイン州。どちらも草原と山、そして空があるばかりの、まさに地球の存在をありのままに感じる大地だ。
イシククル湖はソ連時代、外国人の立ち入りを禁止していたという幻の湖で、"中央アジアの真珠"とも呼ばれている。その水は塩分を含み、青く澄み渡っている。透明度はロシアのバイカル湖に次いで世界第2位とのこと。長さは180km・幅60kmの、日本最大の湖である琵琶湖の約9倍という巨大な湖は、場所によっては海と見まごうばかりの砂浜もあるという。
キルギス語でイシクは「熱い」、クルは「湖」。その名前の通り、マイナス20度になる冬であっても凍ることはない。さらにはその湖底には城や住居の遺跡などが沈んでいるとのこと。数々の神秘を抱えた湖なのだ。
現在では少なくなったものの、伝統的にキルギス人は遊牧の民。モンゴルの風景で見るような移動式住居「ユルタ」を持ち、家畜とともに暮らしていたという。その顔つきは日本人と瓜二つで、「キルギス人と日本人は兄弟で、肉好きはキルギス人に、魚好きは日本人になった」という言い伝えが残っているほどだという。○キルギスの旅は“人生最高の経験”
馬に乗っての旅というと、ロマンにあふれドラマチックな雰囲気があるものの、現実にはなかなか大変だったそう。
Zahariz氏は旅の最中、落馬すること2回、馬と一緒に深い川に落ちること2回、そして馬に逃げられたことも2回。馬を捕まえるまで、3km近く追いかけたこともあるのだとか。一見ワイルドでさっそうとした旅の裏側には、ドタバタ喜劇のようなシーンがあるようだ。
そんな困難がありながらも、やはり旅は楽しいと語るZahariz氏。大自然の中でテントを張って眠り、日々、谷や山を旅していく中にはそこでしか得られない感動も多いもの。そうして彼が感じてきたものは、これらの写真から伝わってくるのではないだろうか。また、最終的には馬とも仲良くなれたもよう。彼にとってキルギスの旅は人生最高の経験だったそうだ。
このほかの「馬とスローな旅を神秘の国キルギスで」はオリジナルサイトを参照。
※写真/記事提供: Bored Panda
※zahariz.com
○筆者プロフィール: 木口 マリ
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。
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