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ユニークな技術が盛りだくさん! - ドコモ R&Dセンターで見つけた新技術

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ユニークな技術が盛りだくさん! - ドコモ R&Dセンターで見つけた新技術
●端末間をLTEでつなぐ
11月26日と27日、NTTドコモは横須賀のドコモ R&Dセンターにおいて、最新の技術動向を展示するプライベートショー「DOCOMO R&D Open House 2015」を開催した。5G関連の展示については別記事で紹介したが、そのほかにも商品化の有無を問わず、さまざまなドコモによる新技術が展示されていた。ここでは展示内容の中から、筆者が気になった面白い技術について紹介していこう。

○LTEによる端末間直接通信

通常、LTEでの通信は基地局と端末を介して行うわけだが、これを端末間で行おうというもの。はじめは、PHSのトランシーバーモードのようなものを想像したのだが、そういった使い方のほか、端末同士の協調までは基地局を介して行い、データ通信だけを端末間で行うようにできるとのこと。これにより、たとえば屋外で対戦型ゲームのマッチングをしたり、特定の基地局の範囲内にある端末の情報をチェックして、その割合から最適な広告を表示する(たとえばサラリーマンが多いから髭剃りのCMを流すなど)といった使い方が想定されているという。

同様の技術としては無線LANを使った「Wi-Fi Direct」などがあるが、LTEなので到達する距離が非常に長い点などが優位だという。展示されていたのはクアルコムのモデムのファームウェアを書き換えて機能が使えるようにしたものだということで、技術的にはいつ搭載されてもおかしくないところまできているようだ。
あとは走査の際のパケット消費をユーザーがどこまで許容するかなど、気になる点もあるが、技術的には面白そうだ。

●実用性の高い技術もたくさん
○SNS翻訳で世界中に口コミ情報を

NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した「崩れ日本語正規化技術」を使い、崩れた日本語もかなり正確にニュアンスを含めて翻訳できるというシステム。東京オリンピックを前に、日本語SNSに流れている日本語の情報を外国人にも利用しやすくしようという試みで、来年中のサービス開始を目指しているとのこと。ドコモはこのほかにも翻訳サービスをいくつか展示しており、外国人とのコミュニケーションを円滑化するという意味では有効なツールになり得るだろう。

○WiGigは来年登場?
「ミリ波非接触高速転送システム」として展示されていたのが、60GHzのミリ波を使い、SUICAなどのように一瞬タッチ(実際には非接触なので触らなくてもいい)すれば動画などの大きなコンテンツも瞬時に転送できる機能。ここまで書いてお気付きの方もいらっしゃると思うが、これはWi-Fiアライアンスが策定したIEEE802.11adこと「WiGig」そのものだ。実際のところ、QualcomのSnapdragon 810は内部的にすでにWiGig対応しているそうで、来年のハイエンド端末はWiGig対応してくる可能性が非常に高い。300MBクラスの動画が2~3秒で転送できるそうなので、かなり実用性は高そうだ。


○VoLTEにBGMや効果音がつけられる

VoLTEでは「EVS」という高音質な音声コーデックを使っているが、これを単に音声通話の品質を高めるためだけでなく、通話にBGMや効果音を付けてみたら?という発想で開発中。実際に試してみたが、仲のいい友人となら、LINEのスタンプのような感覚で色々な突っ込み系効果音を鳴らしてみたくなる。BGMと効果音を同時に使えたらさらに面白いことになりそうだ。

○スマホをエージェントにして電動車イスのトレーニング

今年のグッドデザイン大賞にも選ばれた電動車イス「WHILL Model A」にスマートフォンを取り付け、インタラクティブなトレーニングシステムにしてしまおうという仕掛け。人員コストの削減に加え、走行ログなどから上達に合わせたトレーニングの提案が行えるというもの。シニア世代の生活に寄り添うパーソナルエージェントを目指しているとのことで、大変楽しみ。横須賀市の「ソレイユの丘公園」で実証実験を行っているそうなので、行かれる方はWHILLの乗り心地も含めて体験してみてはいかがだろうか。

●いい意味でドコモらしくないアイディア
○最もドコモらしくない?「イノベーションチャレンジ」

最後に、社内の有志で開発され、ハッカソンなどに出展されるなどした、業務とは関係ない個人的なプロジェクトが「イノベーションチャレンジ」としてまとめて展示されていた。
個人的にはこのコーナー、ドコモという大企業のイメージからかけ離れた自由な発想と熱意に溢れていて、非常に居心地がよかった。細かい説明はキャプションに譲るので、写真を中心にご覧いただきたい。***

1日ではちょっと回りきれないほどの展示物があり、ここでは紹介しきれなかった技術発表も多数あった。プライベートショーにしておくのはもったいないと思ったほどで、ドコモという企業への印象がかなり変わった1日でもあった。それにしてもユニークな技術が多数、商品化もされないままになっているのは少々もったいない。ぜひ、周辺機器メーカーなどにも開示する機会を設けてもらいたいと思った。

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