2015年12月3日 12:00
東京都を"書体"にした「東京シティフォント」が生まれた理由は? - 社長さんに聞いてみた
普段のくらしで何気なく触れる機会の多い「フォント」。さまざまな種類がありますが、今年9月、「東京を訪れた人のための街区表示」に使うことを想定しデザインされた「東京シティフォント」が発表され、話題となりました。
このフォントは、AXIS Fontなどで知られるタイププロジェクトが数年単位で進行している「都市フォントプロジェクト」の一環で作られたもの。フォントのデザインのテーマに「都市」が設定されるのはあまりないことですが、この取り組みの狙いは何なのでしょうか。
今回は、「東京シティフォント」発表後の反響や、「都市フォントプロジェクト」の狙いについて、タイププロジェクト 鈴木功代表にお話を伺いました。
――「東京シティフォント」のコンセプトについて教えてください。
江戸と東京をつなぐ「粋(いき)」が書体のコンセプトです。まず、江戸に関する文献や芸能について調べ、江戸ッ子の美意識と東京人の気質を比較してみました。
すると、意外なほど両者には共通点が多く、次のようなキーワードを抽出することができました。前者が江戸ッ子の気質、後者が東京人の気質にあたります。江戸前/シンプル好み、ちゃきちゃき(いなせ)