冥王星の高画質画像が初公開 - 探査機「ニュー・ホライズンズ」が撮影
ニュー・ホライズンズは今年7月14日に冥王星のそばを通過(フライバイ)して観測を実施。現在も飛行を続けながら、観測データを送り続けている。
地球と冥王星とは約48億kmも離れているため、通信速度やデータ量の問題から、これまでは探査機の中で圧縮された低解像度の画像が優先して送られてきていたが、今回ついに、高画質の画像が地球に届き始め、公開される運びとなった。
公開された写真は、暫定的に「スプートニク平原」と名付けられている地域から、その海岸線を経て、氷原に至る一帯を撮影したもので、多種多様なクレーターや山地、氷河などがくっきりと写っている。この画像に写っている幅は約80kmで、1ピクセルあたり77から85mほどの解像度で撮影されており、これはニュー・ホライズンズで撮影できる最高の解像度だという。
ニュー・ホライズンズ計画の主任研究員を務めるアラン・スターンさんは「これら新しい画像はとても高い解像度をもち、冥王星の地質学にとってすばらしい洞察を与えてくれます。息を呑まずにはいられません」とコメントしている。
「金星や火星を最初に観測した探査機からはこれほど高い画質の画像は得られず、その後何十年も待たなくてはなりませんでした。ですが、私たちはニュー・ホライズンズが冥王星を接近観測してから、わずか5カ月でこの画像を手に入れることができました。これらの画像を使ってわかる科学的成果は計り知れないものになるでしょう」(アラン・スターンさん)。
NASAによると、今後数日のうちに、同じ解像度で撮影されたほかの地域の画像も送られてくるという。人類は当面、冥王星に探査機を送る計画がないことから、これらの画像は今後何十年にもわたって見続けるものになる。
○ニュー・ホライズンズは今も正常、次の目的地へ向けた準備も
ニュー・ホライズンズは人類初の冥王星探査を目指して、2006年1月19日に打ち上げられた。そして9年にわたって宇宙を航行し、2015年7月14日冥王星に最接近。その前後で冥王星を観測し、数多くのデータを取得した。
これまでの分析で、冥王星にはクレーターが予想より少なかったことや、地下が活動している可能性があること、1時間あたり500トンもの大気(窒素イオン)が宇宙空間に流出していることなどがわかっている。現在ニュー・ホライズンズは、冥王星から約1億7000万km、地球からは52億km離れたところを飛んでいる。探査機の状態は正常で、NASAでは延長ミッションとして別の天体を探査する計画を立て、その候補として「2014 MU69」と呼ばれる、エッジワース・カイパーベルト天体(海王星の軌道より外側の、黄道面に広がる天体の総称)のうちのひとつを選択した。
今年11月には、2014 MU69に向かうための軌道修正も完了しているが、ニュー・ホライズンズの延長ミッションはまだ正式には認められておらず、2016年にそのための予算が承認されるかどうかにかかっている。
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