くらし情報『抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (2) いかにして「あかつき」は金星への再挑戦にこぎつけたのか』

2015年12月8日 15:30

抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (2) いかにして「あかつき」は金星への再挑戦にこぎつけたのか

抱きしめてヴィーナス - 探査機「あかつき」、金星への帰還 (2) いかにして「あかつき」は金星への再挑戦にこぎつけたのか
連載の第1回では、日本初の金星探査計画がどのようにして立ち上がり、そして「あかつき」と命名されて宇宙に飛び立つに至ったのかについて紹介した。第2回となる今回は、5年前の金星周回軌道への投入失敗と、そこからどのようにして再挑戦ができる道筋が見つかったのか、この5年間の「あかつき」と運用チームの苦闘を紹介したい。

○2010年12月7日

2010年5月21日に打ち上げられた「あかつき」は、順調に航行を続け、6月28日にはセラミック・スラスターの噴射が行われた。この噴射は、金星への接近条件を調整することと同時に、新技術であるセラミック・スラスターを金星周回軌道投入で使うため、その出力特性を把握するためにも不可欠なものだった。噴射は成功し、軌道変更とセラミック・スラスターの技術実証のふたつを成し遂げた。

その後も「あかつき」は順調に飛行を続けた。11月19日には、金星への到着日を12月7日と決定したことが発表された。

12月5日、6日と7日に行う動作を記したプログラムが送られた。
6日にはそのプログラムにしたがい、探査機は自分の姿勢を変え、スラスターのついている探査機後部を前に向けた。軌道に入るためには、エンジンを進行方向の前に向けて噴射し、減速しなければならないためだ。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.