老齢ネコではアルツハイマー病と同じ仕組で神経細胞が脱落する - 東大など
同成果は同大大学院農学生命科学研究科のチェンバーズ ジェームズ助教、内田和幸 准教授、中山裕之 教授、京都府立医科大学の徳田隆彦 教授、同大大学院医学研究科の石井亮太郎 助教、建部陽嗣 特任助教、麻布大学獣医学部の高橋映里佳氏、宇根有美 教授、大阪市立大学大学院医学研究科の富山貴美 准教授らの研究グループによるもの。「Acta Neuropathologica Communications」に掲載された。
アルツハイマー病では、βアミロイドと高リン酸化タウと呼ばれるタンパク質が蓄積し、海馬の神経細胞が脱落することによって認知症を発症する。βアミロイドの沈着はヒト以外の哺乳類に脳でもみられるが、同研究グループがこれまでの研究でチーターとヤマネコの脳で発見した以外では高リン酸化タウの蓄積と海馬の神経細胞脱落は動物では見つかっていなかった。
今回の研究では、ペットとして飼育されていたネコを死亡後に解剖して脳を詳しく調べたところ、8歳頃から脳にβアミロイドが沈着し、14歳頃から高リン酸化タウが蓄積することが判明。高リン酸化タウが蓄積した神経細胞では、神経原線維変化と呼ばれるアルツハイマー病に特有の病変が確認された。
また、神経原線維変化を構成するタウ蛋白質のアイソフォームがヒトのアルツハイマー病と同じであり、神経原線維変化が形成されたネコでは、海馬の神経細胞が減少していることがわかった。
これらの結果から、老齢のネコではβアミロイドと過剰リン酸化タウが脳に蓄積し、海馬の神経細胞が脱落することが明らかとなった。
さらに、ネコの脳に蓄積したβアミロイドは他の動物種と比べて凝集性が弱く、海馬の神経細胞内にβアミロイド-オリゴマーと呼ばれる毒性が高いβアミロイドが蓄積していることが判明した。βアミロイドのアミノ酸配列を動物種間で比較したところ、ネコはほかの動物と異なる配列を有していることがわかった。神経原線維変化が発生するヤマネコやチーターなどのほかのネコ科動物も、このネコ型βアミロイドを共通して保有しており、ヒトのアルツハイマー病患者の脳においてもβアミロイド-オリゴマーが検出されていることから、この結果は神経原線維変化の形成においてβアミロイド-オリゴマーが重要であることを示していると考えられている。同研究グループは今後、ネコの脳を研究することで、βアミロイドとタウタンパク質の関係が明らかにされ、アルツハイマー病の病態解明と治療法開発につながることが期待されるとしている。
提供元の記事
関連リンク
-
new
ひと足早く届いた年賀状…送り主は元カノ!?ハガキに書かれた【メッセージ】で夫婦関係が壊れた話
-
new
高級寿司で…「貧乏人は食うなw」他の客を追い出す男!?しかし後日、知らなかった“客の正体”に青ざめて…
-
new
NTV ドラマDEEP『そこから先は地獄』主演をはじめ、『MORE』専属モデルや『おしゃれクリップ』MCなど幅広く活躍中の井桁弘恵が所属するボックスコーポレーションが新人を募集「2025年ヒット&ブレイク特別オーディション」
-
new
お笑いコンビ・チーモンチョーチュウ、解散へ 菊地浩輔が理由を添え報告&来年はピン活動
-
new
正月の集まりで、“割れた痕のある皿”を嫁に使わせる義母!?しかし⇒数々の嫌がらせを…夫に報告した【結果】