25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座 (31) 原油価格36ドルに急落の衝撃
原油価格が暴落している。1バレル100ドル以上だったのが、一年もたたず40ドル台に下降。落ち着いたかと思われたが、ここにきて遂に40ドルも割り込み36ドルまで再び急落。日本国内のガソリン価格も5年ぶりの安値だ。
私は、スイス銀行時代に「NYMEX」という原油取引所でトレーダーを体験していたので、さっそく現場の後輩たちと話しをした。結局、今回の原因は、ウイーンで開催されたOPEC(石油生産国の団体)総会で、価格が下がっているのに、減産で合意出来なかったことが引き金になっています。
それでも「イスラム国が、原油生産施設を狙う行動に出れば、さすがに生産に支障が生じて上がるかも」という声も聞かれる。ただ、米国はシェールという新たな原油生産が開発。
いまや、ロシアと世界一を争うほどの生産国になった。中東の原油に依存する体質が劇的に変わっている。中東、ヴェネズエラ、ナイジェリアなどのOPEC加盟国は、内部分裂でそれぞれの国が勝手に増産に走っている。イラン、イラクが生産再開・増産という見通しも効いており、その結果、需要は景気がさほど良くないので伸び悩む中、生産量は増加の一途。当分、原油価格は高くならないだろう。