サラブレッド馬、セロトニン受容体遺伝子の違いで扱いやすさが異なる - 京大
同成果は、同大学 文学研究科 堀裕亮 博士、藤田和生 教授および野生動物研究センター 村山美穂 教授らの研究グループによるもので、11月19日付の英科学誌「Animal Genetics」速報版に掲載された。
今回の研究は、JRA 日高育成牧場で2011年~2013年に飼育され、乗り馴らしを受けたサラブレッド1歳馬167頭を対象に行われた。研究では「新しい物体・ヒトへの不安」、「新しい環境への慣れにくさ」、「大きな物体への恐怖」、「反抗的な態度」、「体を触られることへの不安」といった5つのカテゴリーの17項目について、3名の牧場職員が評定・得点化。また、これらの馬から血液を採取し、DNAを抽出してHTR1Aのタンパク質をコードする領域の配列を調べた。
この結果、標的となった領域のうち、709番目の塩基に一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism:SNP)があり、709番目の塩基がグアニン(G)の場合とアデニン(A)の場合の2種類の対立遺伝子があることがわかった。これについて、扱いやすさとの関連を分析したところ、Aの対立遺伝子をもつ個体はもたない個体に比べて、扱いにくいことがわかった。またこの効果はオスよりもメスでより顕著に見られたという。
同研究グループによると、同研究の再現性が確かめられれば、遺伝子型から個体の性質を予測し、それに合わせた飼育管理方法の開発や、乗馬・セラピーホースなどとしての適性の評価などにも応用が期待されるとしている。
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