東北大、小胞「メラノソーム」上にタンパク質送り届けられる新技術を開発
へのタンパク質分子の輸送も描かれた、メラノサイトの内側を表した模式図だ。メラノサイトに限らずすべての真核細胞の細胞内は、膜で包まれたさまざまな細胞小器官(袋)で満たされているが、この図では簡略化されており、核、小胞体、ミトコンドリア、メラノソームのみが示されている。
それぞれの細胞小器官は独自の役割を担っており、その機能を果たすために独自のタンパク質分子を持っており、メラノソームもメラニン合成酵素などの特殊なタンパク質分子を多数含む。これらのタンパク質分子にはそれぞれが働くべき細胞小器官にのみ輸送される必要があるため、それぞれの分子に輸送シグナル(配列)が備わっていると考えられている。
それを表したのが画像1左下の拡大図で、これまでの研究により、核、ミトコンドリア、小胞体などへの輸送シグナルが同定されており、任意のタンパク質分子を特定の細胞小器官に輸送する技術も開発済みだ。しかしこれまで、メラノソームにタンパク質分子を輸送するツールは開発されていなかった。
そこで研究チームは今回、まずメラノソームに局在することが知られているタンパク質の中で、メラノソーム上の荷札として機能する形で、その輸送(細胞辺縁部から中心方向へと微小管を伝って行う「逆行輸送」)