東北大、小胞「メラノソーム」上にタンパク質送り届けられる新技術を開発
の特徴)。この変異体Rab27AにMSTタグを融合させるとメラノソームに局在し、メラノソーム輸送が回復するのである(画像6・7)。
なおRab27Aは、メラノソームの「アクチン線維」上の輸送を行う際(画像1)の、メラノソーム上の荷札として機能するタンパク質だ。「GTP(グアノシン三リン酸)」を結合した活性化型のRab27A分子はメラノソーム上に局在し、ここに運転手役の「Slac2-a」(「メラノフィリン」ともいう)と運送トラック役の「ミオシンVa」が結合することにより、アクチン線維に沿った細胞膜直下までのメラノソーム輸送を促進する画像(画像8・9)。
Rab27Aの機能が損なわれているグリセリ症候群患者のメラノサイトでは、メラノソームがアクチン線維に上手く受け渡されず、微小管逆行性輸送によりメラノソームが核周辺へと押し戻され、メラノソーム凝集の症状を示してしまう。今回の研究で用いられたRab27A(Q78L)変異体は78番目の「グルタミン」が「ロイシン」に置換されており、GTPアーゼの活性がないことが知られている。
画像6は、MSTタグを融合したRab27A(Q78L)のメラノソームへの局在化とメラノソーム分布の回復を示した顕微鏡画像。