私立恵比寿中学の柏木ひなた、女優業への挑戦とアイドルとしての覚悟「8人で紅白歌合戦に」 - 映画『偉大なる、しゅららぼん』 (1) 撮影現場を経て痛感した「メンバーだから安心できているということ」
日出家の跡取りで、最強の"力"の持ち主とされる淡十郎(濱田岳)と、"力"の修行をするために日出家で居候として暮らしはじめた分家の涼介(岡田将生)。淡十郎は、校長の娘・速水沙月(大野いと)に恋をするも、沙月が思いを寄せていたのは日出家と1300年にわたっていがみ合ってきた永遠のライバル・棗家の跡取り棗広海(渡辺大)だった。
その広海の妹・潮音役を演じているのが、ももいろクローバーZの妹分グループ・私立恵比寿中学のメンバー・柏木ひなた。本作が映画初出演作となる柏木は、そうそうたる顔ぶれが俳優陣にそろう中、どのような意気込みで臨んだのか。オーディションや現場のエピソードにはじまり、グループから3人の"転校"メンバーが出たことについても振り返ってもらった。
――劇中ではロングヘアが印象的でしたが、バッサリ切りましたね。
この撮影が終わって、7月の後半ぐらいに切りました。切りたい時期が来たのかなと(笑)。小学校4年生の時に一度ショートにして、その時に前髪を作って、それからずっと伸ばしていました。
――本作が映画初出演。決まった時、まずはどう思いましたか。
オーディションが終わって、受かりたいという希望もあったんですが、もしかしたらダメかなと思っていたんです。最初にもらった台本には、自分の名前が書いてなかったので、本当に自分が受かっているか、なかなか実感が湧かなくて。
でも、その後の新しい台本に「棗潮音…柏木ひなた」と書いてあったので、やっとそこで安心しました(笑)。
――オーディションはどのような内容だったんですか。
男性役を、3人ずつぐらい交代でやりました。受かってないのか受かってるのか、ちょっと手応えのない感じで…。決まった時は、家族みんな喜んでくれました。でも、家族も私と同じように半信半疑だったみたいです(笑)。――名だたる俳優の方々が出演していますが、初めての現場はいかがでしたか。
エビ中で行動してると、メンバーだから安心できているということがよく分かりました。
撮影現場ではたくさんの人が周りにいますが、自分よりも年齢が上で、しゃべったこともないような方ばかりでしたので、緊張しました。でも、お兄さん役の渡辺大さんは一緒にいる時間も長かったので、いっぱいお話しました。最初にお会いしたときは、ちょっと怖いイメージだったんですけど(笑)。お話しするととっても優しい方で、本当にお兄さんのような感じでした。
――「棗潮音」という役はどのように演じましたか。
静かでおとなしい役で、私はそういう女の子ではなくて正反対の性格なので、心を落ち着かせて撮影に臨みました。普段の私は…本当に騒がしいです(笑)。声がすごく通って、大きいのでメンバーと話している時も、自分で静かにしゃべってるつもりなんですけど、うるさいと言われることも度々あります。
――そういえば、私立恵比寿中学に小林歌穂さんと中山莉子さんの2人の新メンバーが加入しましたね。それまで最年少だった柏木さんにとって初めての後輩です。
そうですね。ほかのみんなはメンバーが入ってくることを経験しているから、どういう感じなのか分かっていると思うんです。でも、私は初めての経験で最初は不安でしたが、入ってくる2人のほうがもっと不安だと思って。なので、今までどおり末っ子のような感じのまま、あたたかく支えられたらいいなと思います。
●肌で感じていた、メンバー3人の転校発表
――当時の自分と重なるわけですね。
事務所に入ったのは小学校5年生の終わり頃で、小6からエビ中に入りました。
…とにかく、プレッシャーがすごかったです。人からどう見られているのかとか、いつも周りを気にしてしまうんですよね。その上、人見知りですから。自分から話しかけるのも苦手なので、一人でどうしたらいいのかなぁって(笑)。周りを見ながら行動するタイプです。
――その状態は今も続いてる?
人見知りは今も続いています(笑)。よく周りからは、そう見えないと言われるんですけど。でも、エビ中に入って、握手会などに参加させていただくようになってから、ファンの方とお話しするうちに、ちょっとずつそういう部分がなくなってきたのかなと思います。
――この世界にはどのようなきっかけで入ったんですか。
きっかけはスカウトです。小さい頃から歌が好きで、ダンスも習っていて、家で一人で歌っていたりもしました。歌って踊れる人になりたいと思っていたので、エビ中に入ってからその自分のやりたかったことがいかせているのかなと思います。
――そんな中で決まった映画。試写会では自分のシーンで思わず固くなったそうですね。
スクリーンに映ることができるのは、本当にすごいことです。今後また機会があれば、出てみたいなと思います。
でも、初めてのことでしたので、やっぱり緊張していたんですね。自分の演技を見ていて、全部の実力を発揮できていなかったのかなと…。恥ずかしいというのもありましたが、もうちょっとできたんじゃないかなと、悔しい気持ちがあります。
――そんな中でも注目してほしいところは?
すべてが見どころなんですけど、私的には深田さんが馬に乗っている姿がすっごくすてきで。あとは私の髪がまだ長い時なので、長いのが好きな方にはおすすめです(笑)。
――「失って気づく大切なもの」というのがこの物語では描かれていますが、柏木さんにとっての大切なものとは?
こういう活動をしているのがすごく楽しいんですけど、やっぱり家でリラックスする時間があるからこそバランスが保たれてるんだなと感じます。家族に会えないと安心できないんですよね。だから、エビ中で遠征してホテルで泊まる時に家が恋しくなることもあります(笑)。
――映画の公開は3月ですが、4月には日本武道館での単独ライブが控えています。
3月は、9日に幕張メッセでなっちゃん(杏野なつ)がいない8人でライブをやって、21日のグランキューブ大阪で新メンバー2人を加えての、新しい”私立恵比寿中学”がスタートするとっても大事な時期です。武道館は、9人そろってのラストステージになりますので、頑張りたいです。
――ブログにも書いてありましたが、3人の転校発表はなんとなく予感していたそうですね。
9人全員でまとまっていることが少なくなってきてるように感じたので、もしかしたら何かあるのかなと思っていました。2人が辞めて、なっちゃんが留学すると聞いて…みんな信じたくなかったですけどそうだったんだなって。
――ご自身では考えたりしますか。将来の夢や人生設計など。全然、考えてないです(笑)。でも、4月からは8人になってしまいますけど、その8人で紅白歌合戦に出られるように頑張りたいです。個人的には演技のお仕事もやりつつ、エビ中の柏木ひなたとして、アイドルとして成長ができたらなと思います。
(C)2014 映画「偉大なる、しゅららぼん」製作委員会(C)万城目学/集英社