2015年12月25日 09:26
JAXA、閉鎖環境試験の被験者を募集- 宇宙での精神状態を把握する手法の研究
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月24日、宇宙飛行士の精神心理健康状態を評価する手法の高度化を目的に、JAXAの閉鎖環境適応訓練設備を用いた有人閉鎖環境滞在試験を実施すると発表した。
○現在宇宙のストレスチェックはビデオ問診のみ
これまで、宇宙飛行士の精神状態を評価する手法は、基本的に2週間に1度の精神医学・心理学の専門家によるビデオ問診のみに限られており、より客観的な指標に基づくストレス状態評価手法の開発が求められている。
今回の研究は2015年度と2016年度にわたって実施され、2015年度は閉鎖試験を1回実施し、ストレス状態評価に有効な客観的指標(ストレスマーカー)候補を絞り込み、2016年度には閉鎖試験を最大3回実施してストレスマーカーの決定を目指す。
また、宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)では健康管理を目的とした採血・採尿は行われておらず、ISSで解析されることはない。そのため同研究では非侵襲的かつ宇宙飛行士自身が軌道上でほぼリアルタイムに評価可能な手法の開発も目標とする。
試験では、成人男性8名がJAXAの閉鎖設備で共同生活を送り、その間行動・情報・食事などを制限するほか、グループ作業を含むさまざまな課題を与える。