ATSUSHI勇退後の新生EXILE、メンバーが語る変化と強み「より個性が豊かに」
●「これからもグループを未来に繋いでいく使命感がある」
2001年9月にメジャーデビューして以来、メンバーの勇退や加入を繰り返しつつ、進化を遂げてきたダンス&ボーカルグループEXILE。2020年11月、最後のオリジナルメンバーだったEXILE ATSUSHIが勇退し、14人体制となり、2021年にデビュー20周年イヤーを迎えた。新生EXILEのメンバーは、新たなスタートをどのように捉えているのだろうか――EXILE NESMITH、橘ケンチ、EXILE TETSUYA、岩田剛典、世界の5人が“変化”についての思いを語った。
参加経緯や活動年数は違うもののEXILEというグループに対して、メンバーたちが共通して口にするのが“繋ぐ”というキーワードだ。橘は「オリジナルメンバーがいなくなった現体制のなか、これからもグループを未来に繋いでいく使命感がある」と思いを表現すると、自身を“新メンバーと言われてきた立場”と語った岩田も「先輩から受け継いだEXILE魂みたいなものを、後輩に繋げていく」という役割を意識しているという。
2020年にEXILE ATSUSHIが勇退し、2001年グループ結成時のオリジナルメンバーがEXILEから姿を消した。橘は「ある意味で、より個性が豊かになりました」と変化を述べると「以前はHIROさんが絶対的なリーダーとしていてくれて、そこにみんながついていけば大丈夫だと思っていました。でもいまは個人個人がリーダーシップをとりながら、EXILEというグループのためになにができるのかというのを考えなければいけない状況になっています。
世代もバラバラで、価値観も多様になってきているので、アイデアも出やすい。そこがいまのEXILEの強みになっていると思います」と語る。
一方で、グループを掛け持ちしている現状には「本当にみんなメチャクチャ多忙なので、EXILEというグループに集中することが物理的に難しい」と語った橘。この問題にはメンバーが一丸となって克服しなければいけないと課題に挙げていた。
技術的な部分での変化を語ったのが、ボーカルを務めるEXILE NESMITHだ。「いままでも2人、3人、4人というボーカル編成でやってきた楽曲もありますが、Aメロを2行ずつ分けて……とか、Bメロで歌う人が変わって……みたいに、ある程度キレイに形が決まっていて、それぞれの歌割りがありました。でも3人体制(TAKAHIRO、SHOKICHI、NESMITH)になり、ストロングポイントが三者三様になったので、以前のようにきっちりと分けるというよりは、それぞれの個性に合わせた分け方になったと思います」。
こうした変化によって、振りの構成もどんどん変化していくのでは……とEXILE NESMITHは続ける。
「昨年、ライブオンラインをやらせていただいたとき、それぞれのボーカルに合わせて、振りの構成が変わるなど、かなり縦横無尽にやらせてもらいました。いまの14人ならではの楽曲、ボーカル、パフォーマンスというのは、もっと大きな広がりを見せられるのではないかと思っているんです」。
●「初心に戻って前のめりにEXILE魂を燃やしていきたい」
一般的にグループと言えば、そこにはメンバーの名前や、構成人数などが紐づいてくるが、EXILEというのは既成概念に捉われない変化と進化を遂げている。「EXILEとは?」という質問を投げかけると、世界が「魂なんじゃないですかね」と回答する。続けて世界は「これまで在籍した先輩を含め、全員が同じ志を持っている。そこで繋がっている集合体。いまの14人も、その魂をベストな形で表現する集まりなのでは……」と説明した。
世界の言葉を受けたEXILE TETSUYAは「その魂を言葉で表現すると“LOVE”“DREAM”“HAPPINESS”であり、それを可視化したものがEXILEというグループだと思います」と補足する。
さらにEXILE TETSUYAは「よくHIROさんは『LDH=EXILE』と話されていますが、それは会社とグループが一緒という意味合いだけではなくて、根幹的な“LOVE”“DREAM”“HAPPINESS”という大きなテーマが、EXILEに紐づいているということだと思います」と解釈を述べていた。
1月1日、新生EXILEとなった14人体制初となるオリジナルアルバム『PHOENIX』が発売された。橘は「みんなキャリアも長くなり、良くも悪くも客観的に物事を見るようになってきていると思うんです」と語ると「そうなると、グループに入った当時の荒々しい感じが、どうしても薄れてきてしまう。でも2022年は20周年にあぐらをかくわけではなく、原点回帰ではないですが初心に戻って、前のめりにEXILE魂を燃やしてやっていきたい」と大暴れすることを誓う。コロナ禍により元気がなくなっているエンタテインメント業界。橘は「20周年なのに、こいつら相当ストイックだなと思ってもらえるぐらいに頑張って、少しでもエンタメ業界復活に力を注ぎたいんです」と強い使命感を見せると「ニューアルバムをひっさげたツアーは、きっと間違いのないものになると思うので、ぜひ楽しみにしてほしいです」と力強く語ってくれた。