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CES 2016 - パナソニックブースは近未来の暮らしを表現、主軸は4KとBtoB

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CES 2016 - パナソニックブースは近未来の暮らしを表現、主軸は4KとBtoB
●Ultra HD Premiumテレビ「65DX900」
パナソニックは「CES 2016」において、Ultra HD Premiumテレビ「65DX900」や1型センサー搭載の「LUMIX ZS100」などを発表。ブースではこれら実機のほか、BtoB向けの製品やサービスを数多く出展していた。

○CESに新しい風を吹き込んだパナソニック

パナソニックは「CES 2013」の基調講演で、BtoBを機軸とした新生パナソニックの経営方針を発表。当時コンシューマ向けを中心に展開していたなかで、異彩ともいえるブースづくりが話題を呼んだ。その影響か、主催者であるCTAも、今年のCESは「コンシューマエレクトロニクスショー」とせず、「CES」という略称で呼ぶことに統一。コンシューマだけのイベントではないことをアピールした。

今年のパナソニックブースは、こうしたCESの変化を示す象徴的な展示内容になったといえる。街をモチーフにデザインした同社ブースでは、「パナソニックスタジアム」「スマートホーム」「タウンスクエア」「ビジネス/リテール」「モビリティ」といった5つのゾーンに分けて、最新の製品や技術を展示。
BtoBソリューションの具体的な事例なども示した。

○パナソニックも4K

パナソニックスタジアムゾーンでは、開催前日のプレスカンファレンスで発表されたUltra HD Premiumテレビ「65DX900」や、欧州市場で販売を開始している有機ELテレビ「CZ950」、4K BDレコーダー「DMP-UB900」がお目見え。このほか、1型センサー搭載の「LUMIX ZS100」、4Kビデオカメラ「MZ-VX981」「MZ-ZX1800」を出展した。

2016年から北米市場でサービスを開始するホームモニタリングシステム「ORA」のデモストレーションも実施。ORAは、外出先からスマートフォンを利用し、ドア錠の開閉、照明や室温のコントロール、音楽の再生などを操作できるテクノロジーだ。監視カメラとの連動により、外出先から家の中や周辺の確認もできる。

○近未来のキッチンを表現

スマートホームゾーンでは、最新の商品やサービスのほか、将来の暮らしをイメージしたシーン展示を実施している。参考展示として、フリーゾーンIHやコードレス調理家電、キッチンスクリーン、クラウドサービスを組み合わせたデモンストレーションを行い、自宅にプロのシェフと栄養士がいるかのような環境を提案。
キッチンのそう遠くない未来を表現していた。リビングシーンでは、透明液晶ディスプレイを活用することで、家具への実装を可能にするファニチャーディスプレイ、カーペットの四隅にスピーカーを埋め込んだラグスピーカーを展示した。

また、2016年秋から北米市場に投入予定の泡洗顔機のほか、ナノイー関連製品、メンズシェーバー、ハイパワーブレンター、マルチクッカー、ブレッドベーカリー、ロボット掃除機など、白物家電や理美容製品もそろえていた。

●映像が人を追いかける
○映像が人を追いかける

ビジネス/リテールゾーンでは、スマホで多言語案内が可能な光IDシステムをはじめ、デジタルサイネージ、骨伝導ヘッドホン、360°セキュリティカメラ、IoT/M2Mセキュリティ対策基盤などを展示。透明スクリーンによるデモストレーションでは、新たなショーウインドウの形を提案してみせた。さらに、初公開の高速プロジェクションマッピングやスペースプレーヤー、インタラクティブミラーなどにも注目が集まっていた。

このエリアでの目玉展示となった高速プロジェクションマッピングは、マーカーレスで動く形状をリアルタイムで追随し、プロジェクションマッピングする世界初の技術。プロジェクターからスクリーンまでの深度情報をリアルタイムに検出し、動体に対して形状をあわせた映像を投影している。
また、センシングから映像表示まで、約1msの低遅延を実現している。

人に映像を投射する際、これまでは人が投影位置にあわせて動いていたが、同技術を利用すると映像側が人に追随できるようになる。将来的には、この技術を自動車のヘッドライトに採用し、歩行者や動物が飛び出してきた際、プロジェクターで映像を投影して運転者に危険を知らせる、といった応用が検討されているとのこと。

業務用8Kディスプレイも展示。新たに10点タッチに対応したモデルを紹介した。さらに、Facebookと開発した光ディスクによるデータアーカイブシステム「freeze-ray」も出展。freeze-rayは、アクセス頻度が低いコールドデータの蓄積に最適化した製品で、ブルーレイやアーカイブディスク技術に基づいたパナソニック独自のキーデバイスを使用。長寿命を実現しているほか、高いデータ密度と低コストを実現。
同社では、「データセンター業界にとっても魅力的なソリューションになる」としている。さらに、テクニクスの展示ゾーンとして、路面店をイメージした「テクニクスストア」を設置。ターンテーブル「SL-1200G」、プレミアムオールインワンシステム「OTTAVA」、グランドクラス「G30シリーズ」、ヘッドホン「T700」を展示している。

●エアライン向け技術をアピール
○エアライン向け技術をアピール

モビリティゾーンでは、オートモーティブとアビオニクスの2つの展示を行っている。オートモーティブでは、SYNCR3インフォテインメントシステムを搭載した「リンカーンMKZハイブリッド」、パナソニックのプレミアムオーディオシステムを搭載した「アキュラNSX」を展示。さらに、カーブドディスプレイ、スマートミラーなどを活用したeコックピットも出展した。

アビオニクス関連では、機内エンターテイメントシステムの納入から映像配信サービス、メンテナンスサービスまでのトータルソリューションを紹介。天候情報サービスのPanasonic Weather Serviceなども出展していた。


○シンボルタワーは大型LEDディスプレイ

パナソニックスタジアムゾーンでは、大型LEDディスプレイや映像配信システム、業務用4Kカメラなどを活用したスタジアム向けAVソリューションを紹介。さらにタウンスクエアエリアでは、大型LEDディスプレイを活用したシンボルタワーとし、パナソニックの製品やサービスなどを表示した。ここでは、電気バイクメーカーのGOGOROのスクーターを用意し、充電ステーション、家庭用充電器などを紹介した。

このようにCES 2016のパナソニックブースは、ここ数年の展示コンセプトと同様、BtoBにフォーカスしたものとなっている。テレビなどの家電に関しては、ディーラーなどの関係者を対象に、別会場で個別対応するという格好だった。パナソニックの北米市場におけるビジネス基盤がBtoBソリューションであることを裏付ける展示内容であったともいえるだろう。

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