“コンテンツの雄”カドカワと“予備校の老舗”代ゼミが高等教育で組むワケ
直接学業には関係ないかもしれないが、制服を着て校舎に通うことで、通学のモチベーションが高まる生徒も少なくないはずだ。代ゼミNスクールに通うN高生徒は、ネット勉強だけの生徒に比べ、制服を着て通学する機会を増やせるというわけだ。
●連携による両社のメリット
N高生徒だけではなく、代ゼミNスクールは、カドカワと代々木ゼミナールの双方にメリットがある。
まず、カドカワサイドからみて、代々木ゼミナールと組む最大の利点は、リアルな教育の現場を手に入れられることだ。N高は、課外授業をとおして講師やそのほかの生徒に触れたり、講義映像システムのコメント機能を利用したりで他者とのコミュニケーションが図れる。まだ開校していないのでどのくらいのコミュニケーション量となるのか判断できないが、リアルな高校に通う生徒に比べれば、他者との触れあいは少なくなると容易に想像できる。高校生活は、大学受験を前にした大切な教育期間でもあるが、友人との触れあいや部活動などを通じ、コミュニケーション能力を育てる重要な時期でもある。N高は、教育課程すべてではないとはいえ、基本的にネットで学業が完結する世界。
コミュニケーション能力の育成にどれほど寄与するか、疑問が残る。