2016年1月21日 15:01
三菱電機、伝送速度20Gbps以上実現の5G向け「マルチビーム多重技術」を開発
三菱電機は1月21日、第5世代移動通信方式(5G)基地局向けに、高周波数帯で大容量通信を可能にする超多素子アクティブ・フェーズド・アレイ・アンテナ(APAA)と複数アンテナを組み合わせてデータを並列伝送するプリコーディング技術の連携による、新しい「マルチビーム多重技術」を開発したと発表した。
5Gで用いる高周波数帯(4GHz以上)では、電波の伝搬減衰を補償するために数百素子以上のアンテナを用いるMassive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output:複数のアンテナを組み合わせて大容量通信を実現する技術)技術が注目されている。この信号処理をすべてデジタル処理で実現する場合、デジタル回路の規模や消費電力が膨大になるが、その解決策の1つとして、アナログ処理とデジタル処理を組み合わせるハイブリッド構成が有望視されている。
同社は、人工衛星などで実績があるアナログ処理による超多素子APAA技術とデジタル処理によるプリコーディング技術を連携させたマルチビーム多重技術を開発し、計算機シミュレーションで現行比(2016年1月21日時点での最新第4世代携帯基地局比)約60倍となる伝送速度20Gbpsが得られることを確認した。