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タイには、自分のペースで無理なく開発できる文化がある - ゲーム開発者として活躍するタイ人の働き方

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タイには、自分のペースで無理なく開発できる文化がある - ゲーム開発者として活躍するタイ人の働き方
●マイペンライ(問題ないよ)の精神で
低い物価、快適な気候、安定したインターネット環境やコワーキングスペースの発達などを背景に、バンコクに次ぐ新たなスタートアップの集積地として近年大きな注目を集めているタイ第二の都市チェンマイ。その魅力に惹きつけられた海外の起業家たちもこの地に集い始め、タイ国内の優秀な人材も、バンコクのみならず徐々に北部へとシフトしつつあります。この注目度の高い都市において、地場のスタートアップとしていち早く成功を収めたモバイルゲーム開発ベンチャー企業でデベロッパーを務めるカウィン・シリクハナラットさん(22歳)。社長が太鼓判を押す社内きっての若きホープは、夢を叶えるために今この時を自分らしく走り続けています。そんな彼の仕事ぶりについて伺いました。

■これまでのキャリアと経緯を教えてください。

今年3月にチェンマイ大学を卒業し、すぐに地元の大きな病院で社内業務管理用のモバイルアプリケーションエンジニアとして働き始めました。しかしかねてからゲーム開発に携わりたいという思いがあったので、転職先を探していたところ地元のベンチャー企業である現職とのご縁をいただき、現在は念願叶ってモバイルゲーム開発エンジニアとして勤務しています。
直近ではタイ国内向けにリリースされる予定のアクションゲーム「Little Guardians」を開発しています。主人公がヒロインである姫を凶暴なモンスターから守るために戦うアクションゲームで、キャラクター作りや物語の背景なども含めてチーム一丸となって開発中です。

■現在のお給料について教えてください。

以前の会社では15,000バーツ(約50,000円)のお給料でしたが、現在は18,000バーツ(約60,000円)いただいています。エンジニアという専門知識を有する仕事であるため、タイにおける新卒のお給料の平均からすると少し高い金額をいただいていますが、まだまだこれに満足せず会社に貢献し、高みを目指していきたいと考えています。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

まずは仲間に恵まれていることが一番満足している点です。社員のほとんどがエンジニアであり、同世代が多い当社では話が合う仲間も多く、フラットな社風で、社長自ら頻繁にカフェに連れ出してくれたりもします。また、社内にはトレーニング設備が設置されていて、仕事に疲れると気分転換で体を動かしています。
苦労もありますが、納得できるゲーム開発や、利用されるお客様に喜んでいただけているという実感が得られた時は、この仕事を選んで本当によかったと実感します。

■今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

月によってはタイトなスケジュールで開発の依頼が入ります。ごく稀にですが、残業しなければ納期に間に合わない案件が舞い込んで来ることがあり、ストレスを感じる時もありますが、それが成功に結びつくと思うと少々の苦労は乗り越えられると考えています。

■自分の国の労働環境で気に入っているところ、満足を感じる点は?

日本では残業が多く、非常にストレスを抱えながら仕事されている状況があると伺ったことがあります。その点、タイにおいては、基本的に自分のペースで無理なく開発に臨めていると感じています。マイペンライ(問題ないよ、気にしないで、大丈夫だよ、などの意味で使われるタイ特有の言葉)という文化があるように、細かいことを気にしない風土は居心地良く仕事できているのではなかと考えています。

また、最近ではインターネットインフラの普及が急速に発展していて、さすがに日本の光ファイバーのようなスピードにはとどかないものの、主要なプロバイダーでは最大30MBや50MBのプランも目にするようになり、実測でも10~20MB程度のスピードが出ているので、開発者としては非常に快適な環境になったと実感しています。

■自分の国の労働環境で大変なこと、嫌な点は?

政治的に不安定に感じる背景があることは不安要素だと思っています。
また、日本の綺麗なオフィスビル等に比べると、まだまだ全体的に環境が追いついていないと感じることもありますし、業務管理システム等については煩雑な印象があります。

●日本に旅行したとき、嫌な思いをすることが一つもなかった
■あなたの思う日本についてのイメージを教えてください。

以前日本に旅行したことがありますが、1週間滞在して嫌な思いをすることがたったの一つもありませんでした。ルールが徹底されていて、全てにおいてシステムが整っていると感じ、この秩序の確立が多くの業界でトップクラスの製品を生み出し続けている日本の凄さなのだと実感しました。

■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?
メタルギアシリーズで有名となった、ゲームクリエイターでコナミデジタルエンタテインメント元執行役員副社長も歴任した小島秀夫氏が2015年12月15日付けで同社を退社されたニュースが印象的でした。

日本のゲームはクオリティが高く以前よりずっと興味がありました。その中心人物の一人とも言える小島氏がコナミを退社し、新会社コジマプロダクションを設立されたことには大変興味を抱きました。日本のゲーム業界については自分の成長のためにも、もっと知識を深めていきたいと考えています。


■あなたの「マストビジネスアイテム」を教えてください。

自分の手にフィットしたシャープペンシルは絶対に欠かせません。デベロッパーはイメージが命です。頭で考えるより、まずは浮かんできたイメージを図にしていくことが何よりも構築を進める重要なポイントです。その上で使い慣れたシャープペンシルは欠かせません。

■休日の過ごし方を教えてください。

まずはリラックスすることを心がけています。溜まった掃除や洗濯はこなさなければなりませんが、できる限り自由な時間を作り、今後のために新しい体験ができる場所を求めて出かけたりします。
また公私ともにゲームが大好きなので、ゲームをしてリラックスする時間を作ったりもしています。

■将来の仕事や生活の展望は?

東南アジアのモバイルゲーム市場はものすごい勢いで成長しています。2014年には10億ドル規模に達し、2019年までには70億ドル規模の市場にまで拡大すると言われています。そんな中、スマートフォン普及率も約60%にまで達している東南アジアのIT先進国タイのこの市場には、既に多くの外資企業も参入しており、その流れは止まる事を知りません。タイのモバイルゲーム市場は、この先これまで以上に注目されるでしょう。

私は20代のうちに自分でモバイルゲーム会社を起業したいと考えています。また、有名なゲームを作り、大きな会社を経営する事よりも、自分自身が心から大好きだと思えるゲームを開発し、魅力的な東南アジアモバイルゲーム市場の中にそのゲームをリリースしていけたら幸せだと思います。

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