Da-iCE、レコ大受賞で環境変化「世界は広がっている」 ピクサー作品への抜てきにも喜び
●「認めていただけるようにこれから頑張っていきたい」
昨年末、結成10周年イヤーに「日本レコード大賞」を受賞した5人組男性アーティスト・Da-iCE。4オクターブを誇るツインボーカルとハイレベルなダンスが魅力で、数々のドラマや映画の楽曲も担当してきた実力派が、ディズニー&ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』の日本版エンドソングアーティストに抜てきされた。劇中に登場する5人組人気ボーイズ・グループ「4★TOWN」の日本版声優も務めた5人にインタビューし、ディズニー&ピクサー作品に参加した心境や楽曲の魅力、そして、「日本レコード大賞」受賞後の変化などを聞いた。
3月11日よりディズニープラスにて独占配信される『私ときどきレッサーパンダ』は、ときどきレッサーパンダになってしまう女の子の物語。Da-iCEが歌う「どんな君も」は、劇中にも登場する楽曲「Nobody Like U」のカバーで、本当の自分らしさに悩み、葛藤する主人公・メイに寄り添い、“どんな君でも君だよ 本当の自分を隠さないで”と背中を押す楽曲になっている。
――ディズニー&ピクサー作品の日本版エンドソングアーティストに決定したときの心境をお聞かせください。
和田颯:まさかディズニー&ピクサーさんの話が自分たちに来ると思っていなかったのでびっくりしました。自分たちでいいのか不安もありましたが、うれしい気持ちが大きかったです。
花村想太:周りの友達もディズニー&ピクサー作品が大好きな人がたくさんいるので、その人たちに自慢できちゃうじゃん! って思うくらいうれしかったです。
――ディズニー&ピクサーが実力を認めた人しか選ばれない大役だと思いますが、そういった意味で自信になりましたか?
花村:「認められたな」というより、「僕たちで大丈夫かな」のほうが大きかったです。今まで名だたる方たちがやられているので、これから先しっかりDa-iCEという名前を皆さんに知っていただいて、ディズニー&ピクサー作品のアーティストにふさわしいなと皆さんに認めていただけるようにこれから頑張っていきたいと思います。
――楽曲「どんな君も」の魅力をどのように感じていますか。
大野雄大:サビの「どんな君でも君だよ」というところが、親の言うことを聞いていたお利口さんから、自分が好きなもののために鎖を外すときの心境をわかりやすく表現されていて、自分とも重ね合わせましたし、同じような関係の親子や、進路に悩んでいる方の背中を押すような、そんな力をくれる楽曲だと思います。岩岡徹:ストーリーの中でオリジナルの曲がたくさんかかっているので、エンディングで僕らの曲を聴いていただくときには口ずさめるというか、僕自身、楽曲が馴染んできている感覚があったので、映画と一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。
――完成した作品をご覧になって、自分たちの楽曲が流れたときの心境を教えてください。
工藤大輝:エンディングで僕らのバージョンが流れたときに「本当にやったんだ」という実感が、最後の最後にズシッと来ました。
――レコーディングの感想や意識したことを教えてください。
大野:フェイクを譜面通りになぞる作業を初めてしまして、こんなに難しいんだなと思いました。フェイクは歌い手の方の癖というか、自分の好きなラインがあるので、ズレずにやるのはものすごく難しい作業で苦戦しました。その分、すごく勉強になりました。
――今後の自分たちの楽曲にも生かせるところはありそうですか?
大野:いろいろなデモを聴いて楽曲を決めるときに、デモの英語はかっこいいけど、これを日本語に落としたときどうなるかなという悩みがけっこう前からあって、これならうまく表現できるかもしれないというバロメーターは少し上がったかなと思います。
――花村さんはいかがですか?
花村:Aメロは息の量が多く、且つブレスと最後に吐く音がしっかり原曲で入っていたので、それを再現するために、普段の自分より大きめのブレスと大きめの吐き方と、スタッカート部分もより洋楽チックに切ることを意識しました。また、発音も洋楽っぽく聴こえるように、子音を多めにして母音を減らして歌ったので、1番のAメロは聴きやすいと思います。
●5人組グループの声優も担当「いろんな奇跡を感じます」
――劇中に登場する5人組人気ボーイズ・グループ「4★TOWN」の日本版声優も務められましたが、その感想もお聞かせください。
和田:初めてのことだらけで、目の前にモニターがあって映像が流れていて、それだけでもワクワクしましたし、普段では味わえないものを味わえて貴重な経験になりました。そして、やっぱり声優さんってすごいなと。とても難しかったので、声だけで表現するって本当にすごいことなんだなと感じました。
――同じ5人組グループが登場するディズニー&ピクサー作品が誕生し、その声を演じ、エンドソングも担当。運命的な感じがしますよね。
大野:同じ5人組で、しかもダンス&ボーカルグループ。本当に5人でよかったなって思います。
工藤:あと、2000年代初頭が舞台という時代背景に助けられていますね。
僕らはバックストリート・ボーイズさんやイン・シンクさんとかを見て育ってきたので。この時代背景じゃなかったら僕らではなかったと思うので、いろんな奇跡を感じます。
花村:歌唱的にもすごく難しい楽曲だったので、ルーツ的にR&Bもしっかり2人で通ってきていたというのもラッキーだったなと思います。
――ディズニー&ピクサー作品の日本版エンドソングアーティストという大役は、グループにとってどんな経験になりましたか?
大野:第一に自慢になる!(笑)
花村:プロフィール欄に太字で書きたいなと思います。「レコード大賞受賞」のあとにド~ンと!(笑)
●「レコ大にふさわしいグループにならなきゃいけない」
――最近の活動についても伺いたいのですが、なんといっても昨年末のレコード大賞受賞、おめでとうございます! 改めて受賞の喜びをお聞かせください。
岩岡:最初は驚いて、ドッキリみたいな感覚が大きく、夢の世界に飛び込んでしまったような錯覚に陥りました。当時はあまり実感がなく、新年を迎えて落ち着いてから一番実感しました。そして、いろんな方から連絡をいただき、周りの方が喜んでくれたことがすごくうれしかったです。
人生で一番反響がありました。いろんな方に〇〇孝行できたというか、友達孝行、親孝行、知り合い孝行、DJ KOO孝行……。DJ KOOさんも「おめでとう!」と言ってくださったので(笑)
一同:DJ KOO孝行(爆笑)
岩岡:DJ KOOさんはインディーズのときから応援してくださっていたので、そういった意味ではDJ KOOさんに捧げたいなと思います。
一同:アハハ!
工藤:僕が個人的にうれしかったのは、受賞して僕らがもう一度パフォーマンスするときに、DA PUMPさんなど諸先輩方がすごく盛り上がってくれて、アーティスト全体でお祭りをしているような感じがして、音楽をやっていてよかったなとすごく感動しました。
――受賞したときにファンの方への感謝を伝えられていましたね。
工藤:僕ら5人にファンの方を加えた6面でDa-iCEと言っているのですが、全員で獲った賞だと思っています。「CITRUS」という楽曲で獲れましたが、活動を続けられていたのはファンの方々のサポートのおかげなので、ファンと一緒に獲った賞だなと感じています。
――レコード大賞を受賞され、心境の変化などありましたら教えてください。
工藤:会社の心境は変わったのかなと思います(笑)。急にいろんなお仕事が増えました。ありがとうございます!
岩岡:テレビにたくさん出られるようになりました!(笑)
花村:確かにすごく世界は広がっているなと思います。今までの自分たちだったら絶対に出られないようなものに出られたり、街中で「おめでとうございます!」と言ってもらえたり、環境が変わった気がします。
――環境の変化を感じて、ここからまた頑張るぞという気持ちに?
花村:『私ときどきレッサーパンダ』と一緒で、日本レコード大賞にふさわしいグループにならなきゃいけないなと。これまでの受賞を見直しても、名だたる方々なので。
大野:自分たちの名前を見たとき、ちょっときびいので。
花村:何年か経ったときに「やっぱDa-iCEあのとき売れていたよね」と言ってもらえるようなグループになっていたいです。
大野:よりケツを叩かれたような感じですね。
――今後についてはどのように思い描いていますか?
大野:今年はアリーナツアーも開催させていただくので、とにかくそのツアーを成功させたいです。その向こうに、ドームや、海外も含めてもっと大きいステージがあると思うので、目の前のことを一個一個成功させて、着実に一歩一歩、上り続けていくことが大事だと思っています。
――今感じているグループの課題はありますか?
工藤:レコード大賞を獲らせていただいて、皆さん「広まったね」と言ってくださるんですけど、最終目標はそこではなく、ライブに来てもらってメンバーのいろんなところを理解してもらうところだと思っています。興味を持ってくださった方たちが僕らのファンになってくれることを目標に頑張りたいです。
●自分をさらけ出し合える関係性…心は「全裸です!(笑)」
――ドラマや映画などさまざまな作品とのコラボも話題で、最近では『仮面ライダーリバイス』や『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』の主題歌などを担当されました。
工藤:最近ありがたいお話が多いですね。僕らはパフォーマンスする側と作る側なので、お話をいただいたときに恥じないモノ作りをすることが一番大事かなと。『仮面ライダー』の主題歌も、想太がすごい熱量を持って曲を作り、映画を見たらぴったりでした。熱量とクリエイティブがちゃんと伴っていないとできないことなので、それを維持していきたいです。
――これまでを振り返っても、『ONE PIECE』のオープニングテーマを担当されたり、数々の話題作とコラボされています。
花村:『ONE PIECE』も1年半やらせていただいて、終わる頃に『仮面ライダー』が始まって、『オリエント』のオープニングテーマと『ユーチューバーに娘はやらん!』の主題歌もやらせていただいて、その中でこのレッサーパンダさんのお話をいただいて。
一同:レッサーパンダさん(笑)
花村:今年の終わりに解散するのかなっていうくらい、いいことが多すぎて、いきなり悪いことが起きないように祈っています。
――『私ときどきレッサーパンダ』の主人公・メイは、母親に秘密にしている一面がある女の子ですが、Da-iCEの皆さんは、メンバー同士で本来の自分をさらけ出せていますか?
大野:隠しまくりっす!
岩岡:(大野を指さしながら)一番さらけ出しています(笑)。
花村:徹くんは隠しているほうです。
岩岡:隠してはない! この2人(大野と花村)が勝手に自分から自分のことを話すので、彼らからすると僕が隠しているように見えるんでしょうね。
花村:僕は普段は人の話を聞いているんですけど、このグループのときは自分のことばかりしゃべっている気がします。
大野:僕から聞くことも。ふいに尋問みたいに質問したりします。
和田:聞かれますね(笑)
岩岡:聞かれたら全部話しているよね。
――自分をさらけ出し合える素敵な関係なんですね。
岩岡:そうですね。解放しています。
大野:(心は)全裸です!(笑)
■Da-iCE(ダイス)
4オクターブを誇るボーカルの大野雄大、花村想太と、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯による5人組男性アーティスト。2011年に結成し、2014年にメジャーデビュー。2017年1月に日本武道館公演を開催し、2018年にデビュー5周年を記念した全国ツアーを開催。2019年に初のベストアルバム『Da-iCE BEST』をリリース。2020年1月に初の代々木第一体育館での公演を成功させる。日本テレビ系日曜ドラマ『極主夫道』の主題歌となった「CITRUS」でストリーミング累計総再生数2億回を突破すると、2021年の『第63回輝く! 日本レコード大賞』を受賞した。2022年4月にDa-iCE初のバックバンドを引っ提げた全国ホール対バンツアー、7月より4都市7公演を巡る全国アリーナツアーを開催予定。