2016年1月28日 09:30
日本市場はガラパゴス化?パーソナルモビリティに取り組む内外企業の思惑【前編】
●公道を走れない日本の現状
セグウェイの日本デビューから今年で10年。驚きをもって迎えられた革新的な一人乗り移動機器(パーソナルモビリティ、以下:PM)だったが、国内で普及するには至っていないのが現状だ。世界を見わたすと、観光ツアーやパトロールなど、セグウェイを使ったサービスが社会に浸透している地域は先進国を中心に数多く存在する。法律によりPMの公道走行が認められていない日本では、PM自体の普及(市場形成)が進まず、PMを用いた新たな事業モデルが誕生する土壌も整っていない。日本の大手自動車メーカーも長年にわたり開発を続けるPMだが、公道走行に関する法整備(規制緩和)が進展しない限り、日本のPM市場がガラパゴス化の新たな一例になってしまう危険性は高まっていくばかりだ。
セグウェイという乗り物が米国で発表されたのは2001年のこと。先進国を中心に出回っている現行のセグウェイ(いわゆる第二世代機)は、2006年に市場デビューを果たした。この頃には先進国を中心に法整備が進み、現在では欧州の多くの国と米国の大部分(45州)でセグウェイによる歩道・自転車道(公道)走行が可能となっている。
先進国でセグウェイによる公道走行が規制されているのは日本と英国くらいだ。