女性活躍が進まないのは「メンバーシップ型雇用システム」のせい? - 『働く女子の運命』
この事実上の男性コースに入れてもらった少数派の女性たちは、男性と同じように私生活を犠牲にするというルールの下で戦っていかなければならない。そこでさらに育児・子育ても両立しようと考えると、超人的な体力・精神力が必要になる。
活躍している女性のインタビューなどを見るとこういった超人的な人たちばかりがフィーチャーされるが、それは一部の人の特殊ケースであって、すべての人にこのような超人的なライフスタイルを求めるのは現実的ではない。必要なのは社会構造そのものの見直しではないだろうか、と本書は提言しているように見える。
○ジョブ型社会の男女平等
日本がメンバーシップ型社会なのに対して、欧米はジョブ型社会だと言われている。ジョブ型社会では、企業の中の労働をその種類ごとに職務(ジョブ)として切り出し、その各職務を遂行できる技能(スキル)のある労働者をはめ込む。
ジョブ型社会ではメンバーシップ型社会のように突然無関係の部署に配置転換されたり、転勤を強制されることは基本的にない。賃金もそのジョブのスキルに対応して払われるので、会社の在職期間が伸びれば自動的に上がるというようなこともない。
会社と労働者の結びつきがそれほど強くないので、ワークライフバランスの追求も現実的になる。