2016年2月3日 10:30
北海道民を助け今なお愛されているご当地パン「ビタミンカステーラ」が深い
旭川には、北海道民なら誰もが知るカステラを大正10年(1921)から作り続けている製菓店がある。創業は大正6年(1917)という老舗中の老舗・高橋製菓で、そのカステラはどうやら普通のカステラとは"出発点"が違うそうだ。100年近くにわたって愛され続けているカステラ、一体どんなカステラなのだろうか?
○戦後の食糧不足の一助となるべく開発
気になる商品名は「ビタミンカステーラ」(1本50g=税込97円)。名前の通り、ビタミン入りであることが特長だが、誕生のきっかけは、同社初代代表が「お客に安くて栄養価の高いものを提供したい」と考えたことだったという。というのも、商品の原型が誕生した大正10年は、一般庶民は普段の食事だけでは十分な栄養が摂れない時代であったのだ。
そんな中で開発された「ビタミンカステーラ」の原型となる商品は、俗に「棒カステラ」「ランチカステラ」と呼ばれるもの。甘みを抑えることで日持ちさせ、手ごろな値段で販売していたという。その後、時を経て商品はさらに進化。
現在では、通常のカステラの材料に加えて、ビタミンB1、B2も足されている。この経緯について高橋製菓に問い合わせたところ、改良がなされたのは戦後の食糧不足のさなかだという。