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若月佑美、『桜のような僕の恋人』で得た初めての感覚「大きなターニングポイントに」 中島健人との共演も語る

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若月佑美、『桜のような僕の恋人』で得た初めての感覚「大きなターニングポイントに」 中島健人との共演も語る

●役を突き詰めると、その人間として生きようとする自分が出る
3月24日にNetflixで全世界独占配信開始を迎えた映画『桜のような僕の恋人』で、主人公の晴人が働くカメラスタジオの先輩・市川真琴を演じた、女優の若月佑美。『桜のような僕の恋人』は、自身初のNetflix出演作でありながら、「俳優人生を歩んでいく中でとても大きなターニングポイントになった」と力を込める。全世界配信を前に若月にインタビューを行い、役作りや作品への思い、そして主演の中島健人との共演について聞いた。

原作は、宇山佳佑氏作の同名小説。美容師の有明美咲に恋した朝倉晴人が、美咲に相応しい人間になるべくカメラマンの道を再び志し、奮起する。しかし、美咲が「人の何十倍も早く老いていく」難病を患ってしまう……というストーリー。晴人を中島健人、美咲を松本穂香が演じた。

若月が演じた市川真琴は、晴人が勤めるカメラスタジオの先輩で、「自分の夢を叶える」という確固たる意思を持つ女性。
仕事上では晴人に厳しいものの、プライベートでは面倒見のいい一面を見せている。

――演じた真琴に対してどんな印象を抱きましたか?

似ているところもあるし、共感できる部分もたくさんありました。真琴は芯がある強い女性ですが、きっと周囲から「君は強い女性だよね」と思われることを自分でわかっている。そのイメージを持たれていることによって、より強い自分でいようとする自分がいるんじゃないかな。そういうところは、すごくよくわかるし、似ていると思います。真琴に似ているからこそ、演じていて苦しい部分もありました。

――役作りはどのように取り組んだのでしょうか?

真琴は、深川栄洋監督とたくさん話をしてできあがった人物です。あるシーンを撮影するにしても、そのシーンに至るまでの真琴の心情を深川監督が丁寧に教えてくれました。
もちろん私もざっくり決めていた真琴像がありますが、深川監督のお話でよりリアルさを与えることができました。

深川監督は演出がとても丁寧な方。真琴と晴人が2人で山登りするシーンがあるのですが、深川監督からは「真琴はこの山を登り慣れている。初めて登る山ではない」と言われ、さらに「慣れているから呼吸は口からではなく、鼻から。苦しくない呼吸法をわかっている」と。そこまで細かいレベルの演出でした。撮影も一発OKは絶対になく、「次はこうしよう」と別のパターンを求められることが多かったです。深川監督は細かい仕草、指先の動き、息遣い…そんなところまで指示をくれました。
見ている人に伝わらないものも多かったです。だからこそ、演じていて新鮮でとても楽しかったです。

――初めてのNetflix作品、初めての深川監督の演出。女優として吸収できることは多かったのではないでしょうか。

この作品では「嘘と本当の境目の芝居」を教えていただきました。女優は、実際に存在しない人物、実際に経験していないことを表現する作業。でも、そこに自分の感情がお芝居に乗っかる瞬間がある。それを経験できたのが、『桜のような僕の恋人』の現場でした。


――その感覚は「役と密接に重なる」あるいは「その人になりきる」ということでしょうか?

そうですね、それに近いです。真琴が晴人に対し、とあるセリフを言うシーンの撮影で、私は一度泣いてしまったんです。泣いてほしいという指示を受けていないし、私自身も泣こうと思っていなかったのですが、その時に私は真琴になり過ぎていて「このセリフを晴人に言いたくない」と感じ、涙してしまいました。これまで感じたことのない不思議な感覚でした。役を突き詰めると、その人間として生きようとする自分が出るんだと、勉強になりました。それと同時に、もっともっと知りたい世界だと思ったし、お芝居が面白いと再認識できました。

――大きな収穫ですね。

私は今年、「俳優として芝居の仕方を考え直したい」と思っているんです。
表現が固まっているというか、自分が知れる世界が狭まっていると感じていて。それは、コロナ禍で動けないのもありますが、やはり動かないと感性と感情はなくなってしまう。そういう意味では、撮影で得たあのときの感覚はこれから俳優人生を歩んでいく中でとても大きなターニングポイントになりました。これからもあの感覚を思い出す自分でいたいし、何度でもどこでも出せる俳優になりたいです。

●中島健人の振る舞いを称賛「私もこういう俳優でいたい」

――主演を務めた中島健人さんとはシーンも多く、たくさんの時間をともに過ごしたと思います。共演してみて、いかがでしたか?

中島さんは以前、同じドラマに出演したことはあったのですが共演シーンはなかったので、この作品が初共演になります。中島さんはとっても真摯です。スタッフさんへの関わり方が丁寧ですし、座長としての在り方も頼もしくて、きっちりと現場を引っ張っていらっしゃいました。
私もこういう俳優でいたい。そう思わせていただきました。

――役について意見交換を行ったり、アドバイスを送りあったりはしましたか?

役のことはお話させていただきました。真琴を真琴にしてくれたのは中島さんが演じた晴人がいたから。お芝居の面で助けていただき、ありがたかったです。中島さんは撮影中、別のお仕事もあったようで、体力大丈夫かなと心配でしたが、いつも笑顔。ただ、現場に入るとちょっと情けない感じの“後輩・晴人”がそこにいて、すごいなぁって思いました。

――個人的には真琴と晴人が山に登る場面がとても印象的でした。
1日がかりの撮影と聞きましたが、苦労したことはありましたか?

実は、山での撮影で2人とも沢に落ちています(笑)。地面が滑りやすくなっていて、私がじゃぼって川に足を入れてしまい、その後に中島さんも。2人でビチョビチョになってしまいました。

――同じカメラスタジオで働く柳俊太郎さん、有名カメラマン役の及川光博さんとも共演。現場ではどんな雰囲気でしたか?

撮影のシーンで雨が多く、「この雨は誰のせいだ?」って押し付け合っていました(笑)。そんな他愛もない話のおかげでチームワークもグッとできたかなって思っています。

――Netflix映画に初出演ということで、全世界配信も初体験。国外の方も作品を目にする機会が多くなりますね。

自分が韓国のドラマや映画を視聴するように、この作品も見られるということですよね。それは不思議な感覚で、正直現実味がないです。でも、「『桜のような僕の恋人」』は言語の壁を越えて見てほしい作品。真琴の登場シーンはそんなに多くはないですが、重要な役を担っていると思っています。どんな反響が寄せられるのか、今からとても楽しみです!

■若月佑美
1994年6月27日生まれ、静岡県出身。2011年から乃木坂46で1期生として活動し、2018年11月にグループを卒業。その後は女優・モデルとして活動し、ドラマでは、『今日から俺は!!』(日本テレビ)、『私の家政夫ナギサさん』(TBS)、『共演NG』(テレビ東京)などに出演。『結婚できないにはワケがある。』(朝日放送)ではヒロインを務めた。映画は、『シグナル 100』、『ヲタクに恋は難しい』、『今日から俺は!!劇場版』などに出演。2022年公開映画『劇場版ラジエーションハウス』へも出演予定。
また、2020年より女性ファッション誌『Oggi』で美容専属モデルを務め、オンラインサロン「未開発区域」、YouTubeチャンネルも開設。2021年9月には2冊目の写真集『若月佑美写真集 アンド チョコレート』を発売。二科展では8年連続入選するなど、アートの才能も発揮している。

ヘアメイク:AYA衣装:蔵之下由衣ブラウス・パンツ/LE PHIL(LE PHIL NEWoMan 新宿店)シューズ/MANA(コンゴルディア)左手リング/carat a(ISETAN SALONE ROPPONGI)右手リング/スタイリスト私物

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