井上正大「平成ライダーに清き一票を!」、映画『仮面ライダー大戦』平成vs昭和の主要キャスト集結 (1) 現在の票数は昭和ライダーが124万9,848票 平成ライダーが92万7,256票
本作では、平成ライダーvs昭和ライダーという掟破りのライダー対決が描かれるが、平成勝利、昭和勝利という、いずれかのエンディングをファン投票によって決めることでも大きな話題に。現在はまだ投票受付中のため、この日の試写会はラストが伏せられて上映された。上映後のあいさつでは、柴崎監督と歴代ライダーの主演キャストに加え、ゲスト出演のお笑いタレント・板尾創路、タレントの雛形あきこが登壇し、本作への熱い思いを語っていった。
第一作『仮面ライダー』(1971年)で主演を務め、『仮面ライダーストロンガー』終了後のスペシャル番組『全員集合! 7人の仮面ライダー』(1976年)以来、実に38年ぶりに本郷猛を演じた藤岡は、「当時の変身とはまた違った趣があったんではないでしょうか。私にとっても感慨深いものがあります」と振り返りながらも、「当時は毎日、ケガの絶えない危険な撮影の連続だった。あの頃CGがあればなあ…(笑)」と本音を吐露。本作については「1号から鎧武までの全ライダーがそろい、私が初代を演じた後にこれだけたくさんのライダーが出てきたのかと、まさに壮観、身体が震えました。
同時に、これまで『仮面ライダー』を愛し、応援してくれているファンを思うと、改めて責任を感じました」と、長い歴史を持つ『仮面ライダー』の元祖らしく、深みに満ちた語りでファンへの感謝を伝えた。
続いて、シリーズ第3作『仮面ライダーX』(1974年)で5号・Xライダー/神敬介を演じた速水亮が「とても楽しい撮影でした。平成のライダー俳優は、スタッフにも優しくされていい環境で仕事ができている。僕や藤岡さんの時代は、いつ死ぬかわからないような現場だったなあ」と、ハードなアクションが多かった『X』撮影当時を振り返った。そして「藤岡さんが今でも芸能界に健在で、『仮面ライダー』だという姿勢を崩さなかったから、今回のような映画ができた」と、先輩・藤岡に敬意を表しつつ「今も昔も、『仮面ライダー』は若手俳優が大きく成長するための登竜門ですね」と、若い俳優たちを激励した。1982年に誕生して以来、雑誌展開を中心に活動し、テレビで主役を務めたのは1984年のスペシャル『10号誕生! 仮面ライダー全員集合!!』一度きりだという10号・仮面ライダーZX(ゼクロス)/村雨良を演じた菅田俊は、「30年前から地下に潜っていましたが(笑)、遅ればせながらZXとしてがんばっていきますので、(映画を)ぜひ応援してください」と、30年ぶりの"復活"を喜んでいた。
『仮面ライダーディケイド』(2009年)で、ディケイド/門矢士を演じる井上正大は「僕は平成ライダーの10人目ですが、昭和で言うと25号ライダーになります。歴史のある作品にまた出演させていただき、うれしく思っています」と、ライダーの長い歴史を実感しつつ、「現在、平成ライダーは昭和ライダーに30万票も差をつけられています。
負けられないので、みなさん、平成ライダーに清き一票を!」と、平成ライダーの巻き返しをファンに猛烈アピールした。……続きを読む
●『仮面ライダー』が永遠に、子どもたちに愛と夢と希望を与える存在であるように
今年で放送終了から10年を迎える『仮面ライダー555』(2003年)で、555/乾巧を演じた半田健人は「僕は平成組の中でも久々の変身。何しろ10年ぶりですからカンが戻るかどうか不安でした。でもこの話をいただいた時からモチベーションが高まり、何がなんでも巧に戻ろうと思いました」と相当な覚悟で撮影に臨んだという。さらに「当時は助監督だった柴崎監督、カメラのいのくま(まさお)さん、おなじみのスタッフが揃っていて自然に10年前に戻り、自然な気持ちで演じることができました」と10年ぶりの"変身"に手応えを感じた模様。また「後輩ライダーと一緒に芝居ができたことがうれしかった。みんな撮影所で同じような経験を積んだ者として、苦労もよくわかる。(佐野に)明日も6時(撮影開始)でしょ?(笑) 現役ライダーの佐野くんを、先輩ライダーとして応援したいです」と、若き後輩にエールを送る一幕もあった。
現在、大人気放映中の『仮面ライダー鎧武/ガイム』(2013年~)で、鎧武/葛葉紘太役の佐野は、ずらりと並んだ先輩ライダーたちに負けまいと、明るい笑顔であいさつ。「先輩方と共演したシーンではすごく緊張しましたが、紘太というのは誰に対しても『お前』とか『あんたたち』とか、平気で言っちゃう奴なので、役に入り込んだら緊張せずに乗り切れたと思います」と撮影を振り返る。そんな佐野の溌剌とした姿を見た藤岡が「彼は自分の出番が終わっても、私のアクションシーンや芝居をじっと観ていてくれた。私の若い頃を思い出しましたよ」と、佐野の真摯な姿勢を熱く称える場面もあった。
本作オリジナルのライダーで、平成ライダー15人の能力を備える仮面ライダーフィフティーン/葵連(あおい・れん)を演じた板尾は「僕は8歳のときに、藤岡さんの『仮面ライダー』第1話を観てるんです。今回の映画を観て、何年たっても(1号の)ライダーキック、ライダーパンチの威力は、他のライダーのどんな技や武器よりも威力があるんだと思いました」と1号をリスペクト。さらに、歴代ライダーが総勢30人いることを知り「こんなにたくさんライダーがいるのか、と驚きました。みんなでメシ食いに行ったら、さぞかし大変やろなと。
芸人の世界では、先輩が全員のメシ代をおごるしきたりですから、それだと1号ライダーが大変やなあ(笑)」と話して会場を沸かせ、「それだけすごい一家というか、お祭りのような映画でした。自分が参加できたことは光栄です」と締めくくった。
葵連の妻・咲を演じる雛形は「今回の映画では、私は変身できませんでした」とライダー役でないことを残念がりつつ、「実は、先日の試写で両方のラストを見せていただいたんですけれど、実際の公開ではどちらのラストが上映されるのか、私も劇場に行って確かめたいと思います」とやはり結末が気になるようだった。
柴崎監督は、ラストを伏せたままという異例のスタイルについて「会場のみなさんには最後まで観ていただきたかったんですが、現在は投票の最中ということで、すみません」と恐縮しつつも「昭和、平成どちらが勝利するバージョンも面白くなっていると思います。エンディングロールまで手を抜かず、魅力的なラストになっていると思いますので、劇場でそれを確認してほしいです」と、映画の出来に自信のほどをうかがわせた。
平成ライダーvs昭和ライダーという掟破りのライダー対決が描かれ、平成勝利、昭和勝利という、いずれかのエンディングをファン投票によって決めることでも話題となっている本作だが、現在の状況は、昭和ライダーが124万9,848票平成ライダーが92万7,256票と昭和優勢。公式サイトは3月25日まで、劇場に設置されている投票箱は19日までと、投票期間もまだまだ残されているため、平成ライダー勢の大逆転勝利も夢ではない。佐野は、「平成ライダー代表の鎧武ということでショックは隠しきれないですけど……」と少々焦りつつも「昭和、平成どちらに投票してくださった方でも楽しめる映画です。
ぜひ親子で楽しんでください」と投票を呼びかけた。
そして藤岡は「昭和から平成にかけて、家族同士で楽しめ、会話がはずむというか、絆が深まる映画になっていると思います。僕としては、平成ライダーにもっともっと投票してもらって、平成ライダーに勝って欲しいと思っている。その一方で、昭和と平成、両方が未来を背負っていく、そんな映画がもっともっとできて欲しい。そして『仮面ライダー』が永遠に、子どもたちに愛と夢と希望を与えられる存在であり続けてほしい!」と、昭和、平成の垣根を越えて仮面ライダーが今後も飛躍していくことを望んでいた。
平成対昭和、本作の結末は完全にファンの手に委ねられる形となり、投票の結果は、3月29日の公開初日に明らかとなる。