松崎未夢、目指す女優像は永野芽郁「勇気を与えられるような人になりたい」
●一度は断った芸能界
現在600万再生を超えているNTTドコモのスペシャルムービー『あの恋をもう一度』。歌手のEveが歌う「言の葉」を背景に描かれ、主人公の女子高生がクラスの人気者に思いを寄せる王道のストーリー展開……かと思いきや、伏線を回収するストーリーが話題を集めている。そんな同作でWEBムービー初主演を飾り、CM美女として話題を集める女優・松崎未夢(まつざき・みゆ)に初のインタビューを敢行。ショートムービーの反響や意外な特技、出演映画『女子高生に殺されたい』の撮影秘話について聞いた。
○■大きな反響を呼んだショートムービーで「誰かの背中を押すことができた」
――スペシャルムービー『あの恋をもう一度』が、現在YouTubeで600万回再生を超えて、大きな反響を呼んでいます。
嬉しいです。学校の友達からも「見たよ!」って言ってもらえたり、別のお仕事の現場でも「よかったよ!」って声をかけていただくこともあって。あと、すごく印象的だったのがSNSで、「(この映像を観て)好きな人に思いを伝えることにしました!」という書き込みを見て、誰かの背中を押すことができたのが、すごく嬉しくて本当にやってよかったなと感じました。
――同作でWEBムービー初主演となりましたが、決まったときの心境はいかがでしたか?
嬉しい気持ちはもちろんあったんですけど、やっぱり不安がいちばん大きくて……。撮影が4日間あってこんなに長い撮影も初めてだったので、自分にできるのかとずっと緊張していたんですけど、チャンスとも思ったので頑張ろうと意気込んでいました。
クランクイン前の衣装合わせのときに、スタッフさんとキャストの皆さんとお会いして、他のキャストさんが私より経験豊富な方ばかりだったので、“私この中で大丈夫かな……”ってまた不安になっちゃったんですけど、撮影中も皆さん優しく温かくて、最初から最後まですごく楽しい現場で仲良くしてくださいました。
――学校が舞台ということもあって、同年代の共演者が多いと打ち解けやすいですよね。撮影で印象に残っているシーンはありますか?
個人的に卒業式のシーンは、すごくグッときてしまって(笑)。私自身もこの4月で高校3年生になったので、卒業するときってこういう感じなんだ……と先取りしたような気分で不思議な感覚でした。○■憧れは事務所の先輩・永野芽郁
――現在17歳の松崎さんですが、芸能界に入ったきっかけは?
小学5年生のときに、母と原宿の竹下通りに遊びに行ったときにスカウトして頂いたことがきっかけです。でもそのときは本当に全然興味がなくて……(笑)。
当時は『名探偵コナン』の影響でずっと警察官になりたかったので、そのときも「警察官になりたいので、興味ないです」って言ったぐらい、なりたいものが決まっていて。
――『コナン』の影響で探偵ではないんですね(笑)。
そこは安定志向でした(笑)。あと探偵って仕事がいまいち分かってなかったんだと思います(笑)。
――興味のなかった芸能活動を始めたのはなぜですか?
本当に気づいたらという感じです(笑)。小学生のときは、芸能活動という意識はほとんどありませんでした。中学に上がったくらいから、だんだんとお仕事をいただけるようになって、楽しさにも気づいてきて。お仕事ももちろん好きだし、演技をしている自分も好き。
挑戦する中で成長していける感じがして、それから本気で女優としてお仕事を続けたいと思うようになりました。
――なるほど。目標とする女優さんはいますか?
芸能界に入る前から、ずっと永野芽郁さんが大好きなんです……! お芝居をしている姿がかっこいいし、かわいい。このお仕事を始めてから、私も女優さんとして永野さんみたいになりたいって思うようになりました。憧れです!
――永野さんは事務所の先輩でもありますが、お会いしたことはあるんですか?
実はまだお会いしたことはなくて……。最初に同じ事務所だと知ったときはびっくりしましたし、嬉しいと同時に焦りというか、頑張らなきゃって思いましたね。いつか共演させて頂くのが夢です。
○■映画『女子高生に殺されたい』で見せた新たな一面
――これから共演できるのが楽しみですね! また、1日から公開中の映画『女子高生に殺されたい』にも出演されています。
もともと、別の役でオーディションを受けさせてもらったんですが、それは落ちてしまって。でも、ありがたいことに「(今回の役が)あるんですけど、どうですか?」というお話しをいただいて、出演することになりました。
――田中圭さん演じる東山春人の過去の回想シーンで、作中でも非常に印象的な場面だったと思うのですが、実際に演じてみていかがでしたか?
かなり特殊なシーンだったので、どう表現したらいいか悩みました。しかも、実際に起こっていることではなく、頭の中で起こっている非日常な空間と行動だったので……。
――確かに。きれいな映像ですごく恐ろしい雰囲気がありました。
水中にいるようなすごく幻想的な雰囲気のシーンは、夜になってからバスの外からプロジェクターで映像を映して撮影をしたのですが、きれいなんですけど、そこであんなことをするっていう……。それもあってすごく恐ろしい雰囲気がありました。
実際に出来上がった作品を観ても、自分が演じていたとき以上に恐ろしかったですし、客観的に「私、あんなことをしている……どうしよう……」と怖くなりました(笑)。
●誰かの力になれる女優を目指して
○■異彩を放つ特技・モノマネ「絶対聞かれるだろうと…」
――では、続いて松崎さん自身についてお話しを伺えればと思います。プロフィールでひときわ目を引くのが特技のモノマネですが……。
やっぱりそうですよね(笑)。絶対聞かれるだろうと思ってました(笑)。これは小学生のころ、社会の授業中に教科書に動物が出てきたときがあって、クラスのみんながモノマネをし始めたんです。それで私も「やってみよ~」と思ってやったら、「え……? 何今の!?」って急に教室が静かになってしまって(笑)。すごくリアルだったみたいで、それから「私モノマネできるんだ!」って自覚しました。
でもその後に、校庭で友達から「やって!」と言われて思いっきり大きな声でやったら校舎から先生たちが出てきて「犬いるよね!?」って少し騒ぎになってしまって、モノマネ禁止になりました(笑)。
――犬が迷い込んできたのかと、勘違いさせるほどだったんですね(笑)。レパートリーは何個くらいあるんですか?
動物のモノマネは犬、猫、ヤギ、鶏。あとディズニーランドのキャストさんです。
――キャラクターではなくキャストさん……!
すごいディズニー大好きで、パークに結構行くことも多かったんです。そのうちに、キャストさんのセリフ覚えたいなって思って、行くたびに真剣に聞いていたら本当に覚えてしまいましたね(笑)。動物のモノマネを発見したときと同時期だったので、モノマネ覚醒期でした。
○■軽音楽部でボーカル、キーボード、ドラムをこなす
――これからお仕事でも生かせそうですね! もう一つ、趣味がドラムということですが、これも意外でした。
いま、高校で軽音楽部に入っていて、もともとはキーボードを担当していたんです。でも入部して友達がドラムをたたいている姿を見たときにかっこいい! ってすごくときめいてしまって、誕生日に電子ドラムを買ってもらって始めました。やってみたら爽快感があってすごく楽しくて。独学で見よう見まねでやっているレベルなので、これからどんどん伸ばしていきたいと思っています。
――音楽が好きなんですね!
そうですね。小学生のころにピアノを5年くらいやっていて、合唱コンクールとかで伴奏をしていたこともあります! 高校に入ってからバンドをやり始めて、さらに好きにありました。
――ピアノからキーボード、ドラムとかなり多彩ですね。
実は、軽音部内でバンドを3つ掛け持ちしていて、ボーカル、キーボード、ドラムをそれぞれ違うバンドで担当しています(笑)。校内の発表会とかだと、よく出てくるなって思われていると思います(笑)。
――お仕事しながら、部活でもバンドを3つ掛け持ちだと大忙しですね! どんな曲を演奏するんですか?
いちばん最初にやったのがMONGOL800さんの「小さな恋のうた」で、次がHump Backさんの「拝啓、少年よ」で、次のサマーライブでは先輩・DISH//さんの「勝手にMY SOUL」を演奏する予定です。結構アップテンポな激しめの曲が多いです!
○■誰かの背中を押して勇気を与えられるような人に
――では、最後に今後の目標を聞かせてください。
お仕事させていただく役柄が、明るくて優しい子の役が多いんですけど、悩みを抱えたような陰のある役にも挑戦したいです。その子の抱える悩みを一緒に解決してあげることで、お芝居も人としても成長できる気がします。これから頂いた様々な役をやりながら難しい役にもどんどん挑戦して、お芝居が好きなのでいろんな形でこれからもずっとお芝居ができたらいいなと思います。
――どんな女優を目指しますか?
私自身、芸能界に興味はありませんでしたが、いろんな作品で俳優さん女優さんの演技を見て「こういう風になりたい」と思えるようになったので、今度は夢を与えられるような、誰かの役に立てるような女優になりたいです。悩みを抱えている人がいたらその逃げ道になって、誰かの背中を押して勇気を与えられるような人になりたい。あとは夢だった警察官にも役でなれたら嬉しいです(笑)。■松崎未夢
2004年10月8日生まれ、埼玉県出身。特技はものまね、ピアノ。NTT docomoスペシャルムービー『あの恋をもう一度』で主演を務め、4月1日公開の映画『女子高生に殺されたい』にも出演中。