古いWindowsに固執する人々の不思議 - 阿久津良和のWindows Weekly Report
だが、世の中には「変わらない」ことを極端に求めるユーザー層が存在するのも事実だ。PCは道具であり、OSはその一部と考える彼らは、Microsoftが終了宣言を行ったWindows XPやWindows 7に固執し、Windows 10のアップグレードを拒んでいる。
MicrosoftはWindows 7およびWindows 8.1ユーザーにアップグレードを強く促してきた(参考記事)。その最大の理由は「One Windows」ビジョンであると考えられる。スマートフォンやタブレット、PC、さらにはIoTまで含めたプラットフォームの統合は、インターネット戦略やスマートデバイス市場で後塵を拝したMicrosoftに、巻き返しの可能性をもたらすだろう。
そして、Windows 10への以降を推し進めるもう一つの理由は、セキュリティ対策のコスト増ではないかと筆者は推察する。
例えば、2001年7月に大流行したウイルス「Code Red」は、IIS Webサーバーのセキュリティホールを攻撃し、インターネットを全世界レベルで使用不能にした。このような経緯から、Windows XP Service Pack 2以降、セキュリティの強化に努めてきたMicrosoftだが、サイバー攻撃の手口は日々進歩し、さらなる対策を求められているのが現状だ。
サポート期間内ならば、Windows 7やWindows 8.1の甚大なセキュリティホールが発覚しても、Microsoftはセキュリティ更新プログラムを提供する。だが、古い設計で構築したソフトウェアに、どれだけ継ぎはぎをしても応急処置に留まってしまう。このような背景も相まってMicrosoftは、Windows 7およびWindows 8.1のサポート期間変更に至ったのだろう。
「PCは道具」と考えるラガードな人々は保守的なため、文字どおり道具としてPCを使い続けることを望んでいるが、製造者(=Microsoft)はOSの刷新を求めてきた。どちらの意見も一理あるが、サイバー犯罪が横行する物騒な世界につながるデバイスは、ハサミや包丁とは大きく異なる。
PCを変わらない道具として使い続けるのは到底無理な話ではないだろうか。
このような提言をしても、きっと何も変わらない。変化を厭う人々は自身のスタイルでPCを使い続けるだろう。だが、Windows 10やOffice 365は常に変化し、ライフスタイルのデジタライゼーションは加速していく。そして我々は変化に合わせて新しい物事を吸収するだけだ。「変わらないWindows」は存在しないのである。
阿久津良和(Cactus)
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