UL Japan、2016年の事業戦略を発表 - 山上社長「コンプライアンスのトータルソリューションを提供する」
同説明会に登壇した山上英彦 代表取締役社長によれば、2015年は「自動車」「材料科学」「エネルギー」を戦略的事業領域として位置づけ、プラスチック材料や添加剤の製品/技術情報データベースソリューションや環境分野における各国の規制を調査するサービスの提供を開始するなどケーパビリティを拡大したほか、欧州自動車メーカーに向けたEMC業務が成長を見せたことが主なハイライトとなった。車載機器の複雑化が進む自動車関連でのニーズが特に高まっており、2015年は自動車関連の評価件数が前年比で約20%増加したという。
2016年の事業戦略について同氏は「前年の戦略を継承しつつ、中長期にわたる社会的・技術的課題に取り組むためのグローバル・コンプライアンス・ソリューションを提供する」と説明。この方針のもと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け開発が進む水素エネルギーや自動運転などの技術にフォーカスしていくほか、規制対応・サプライチェーン管理に向けたソリューション提供、情報セキュリティ分野に関するサービスの体制構築を進めていくことになるとした。「1国の法規制に対応すれば良い時代は終わっている。リテーラーを含めて、コンプライアンスのトータルソリューションを提供する。」(山上氏)
同氏はさらに「自動車」「環境・材料科学」「エネルギー」「医療機器」「情報セキュリティ」の5分野に対する具体的な施策についても言及。まず「自動車」分野では2015年に米ULが買収したNational Analysis Center (NAC)の車載情報機器向け相互接続性適合試験の提供を開始する。
また、EMCの旺盛な需要に応えるために能力の拡大を検討していく。「環境・材料科学」分野では北米・欧州で厳格化が進む環境規制への対応に向けたサービスを展開していくほか、材料の総合データベース「PROSPECTOR」の拡販を進める。この分野では建材・家具から発せられる有害物質の管理など、室内空気質関連のサービスにも注力していく予定だ。
「エネルギー」分野に対してはリチウムイオン電池の性能を向上させる添加剤の開発支援など、大型電池やエネルギーストレージを中心にサービスを推進していく。「医療機器」分野に向けては各国規制への対応を進めると同時に、人間工学に基づいた設計となっているか評価するユーザビリティエンジニアリング・サービスの拡販を目指す。「情報セキュリティ」分野においてはオンライン金融取引の安全性に関するサービスの体制構築に着手するとした。
このように2016年は2015年と同じくケーパビリティの拡大・強化が基本路線となる。中でもサイバーセキュリティはIoTの普及に伴いニーズが爆発的に増加することが考えられるだけに、将来的には同社の主力活動の1つとなる可能性があり、今後の展開が注目される。
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