2016年2月26日 10:10
伝書鳩のようにEメールを届けます… ドローン活用で災害時の連絡手段を構築
KDDI研究所は2月25日、災害などで孤立してしまった地域で安否連絡するための実証実験に成功したと発表した。
この実証実験は、同研究所が総務省より受託した「無人航空機を活用した無線中継システムと地上ネットワークとの連携及び共用技術の研究開発」の一環で行われた。"無人航空機"は固定翼機と、いわゆる"ドローン"などの回転翼型のマルチコプターを指し、報道陣向けに行われた実験では、後者のドローンを利用した。
安否連絡は、孤立地域に残るユーザーのスマートフォンからEメールを送信することで行う。孤立地域では、通信環境が途絶される恐れがあるため、無人航空機によって、Eメールデータを蓄積し、ネット環境のある遠隔地で蓄積したデータを送信することで、孤立者が送信したい相手に安否を知らせることが可能になる。
スマートフォンでは、ネットに接続していることを前提としたメールアプリが動作しているため、通信途絶地域では、そのままメールを送信することができない。そこで同研究所では、自治体などに配置することを想定した「メッセージ保管装置」を用意。この装置では、通信環境がない場所でもメールサーバーとして機能する小型サーバーによって、ドローンが到着するまでメッセージを保管する。