『キル・ビル』コンビ再び! - 『ヘイトフル・エイト』美術の舞台裏を種田陽平が語る
●「業界の慣習」を超えた再タッグ
映画を作っているのは誰だろうか。役者を除けば真っ先に思い浮かぶのは監督だが、監督だけで映画が作れるわけではない。プロデューサー、脚本家、音楽家、照明に録音、編集と、多くのスタッフが関わって一本の作品を作り上げている。
中でも美術監督は映画の舞台となる空間を作り上げる責任者であり、監督の思い描く世界を再現する重要なポジション。監督にとって自分の作品の美術監督を誰に依頼するのかは、映画の成否に関わる一大事なのだ。
そんな美術監督として、ハリウッドを代表する監督であるクエンティン・タランティーノ氏の最新作『ヘイトフル・エイト』(2月27日公開)に参加するのが種田陽平氏だ。過去には『キル・ビル Vol.1』の美術監督も担当しており、コンビを組むのは今作が二度目となる。
『ヘイトフル・エイト』はタランティーノ監督初となる密室ミステリー。
舞台は吹雪のロッジ、登場人物は足止めを食らったワケありの8人の男女。そこで起きる殺人事件から、物語は思いもよらぬ方向に展開していく。ストーリーは閉ざされたロッジのみで展開されるため、狭いワンルームが本作の世界のすべてといっても過言ではない。