2016年3月2日 17:43
親になって「働く」と向きあう (10) 働く母になる前の思考トレーニング「育休プチMBA勉強会」
東京都・池袋駅近くにあるオフィスの1室。子連れの母親たちが集結したその部屋は、赤ちゃんのほんわかした匂いが。いつもなら楽しい歌声でも聞こえてきそうなシチュエーションですが、そこで出会ったのは次々と自分の意見を発言しあう母親たちでした。
この日私が訪れたのは、「育休プチMBA勉強会」という育休中の母親たちがスムーズな職場復帰に向けて学ぶ勉強会の会場。そこでは復帰にあたって、「自分自身が労働時間や場所に制約を抱える”制約人材”になる」という状況を客観的に捉え、制約に関わらず組織に必要とされる人となるためにどう行動すればいいかを学びます。運営の中心となっているのは、経営学博士を持ち、会の代表を務める国保祥子氏と、副代表の小早川優子氏。一般的にはマネジメント思考と呼ばれる思考技術で、なんとなく小難しい印象を受けるかも知れませんが、勉強会そのものは参加者である母親たちによる等身大の会話が中心となります。
○職場復帰に向けた自信づくりに
勉強会は、ある職場における状況や課題をテーマにした短いストーリー(ケース)を読み、それに対して参加者がコメントし合う形で進められます。
4~5名ごとに島を作って座り、それぞれの島に議論のファシリテーションを担うリーダーが配置されますが、そのリーダーも基本的には他の参加者と同じ立場の人です(3回以上勉強会に参加している等、一定の条件はあります)。