愛あるセレクトをしたいママのみかた

Windows 10 Insider Previewを試す(第44回) - Cortanaが14カ国に広まったビルド14279

マイナビニュース
Windows 10 Insider Previewを試す(第44回) - Cortanaが14カ国に広まったビルド14279
2016年3月4日(現地時間。日本は5日早朝)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド14279をリリースした。3月初となる本ビルドでは、Cortanaをスペイン語(メキシコ)、ポルトガル語(ブラジル)、フランス語(カナダ)に対応させ、日本語IMEのパフォーマンスと候補の改善、サインイン時のUXを改善している。

○新機能が加わるが依然として一部のバグは未修正

Windows 10 Insider Previewには、"日進月歩"という言葉がよく似合う。改めて述べるまでもなくWindows 10以前、エンドユーザーが未完成のOSに触れる機会は希で、それこそネット上に流出したリーク版を試す程度。だが今では、月に数回のアップデートを行い、細かいバグフィックスや機能・UXの改善と一歩ずつ歩みを進めている様子を体験できる。もちろん基盤となるOSに求められる安定性や不変性という面では相反するものの、筆者は少しずつ姿を変えていくWindows 10を楽しむのも一興、と感じるようになった。

さて、今回のビルド14279に対する最大の変更点はCortanaが対応する言語の拡張だ。
公式ブログによれば、スペイン語 (メキシコ)、ポルトガル語 (ブラジル)、フランス語 (カナダ) の3言語に対応し、14カ国に広まっている。ただし、言語としては英語・中国語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・日本語がこれまで対応していたため、ポルトガル語が加わった形だ。

もっとも米国で使う英語と、本家である英国の英語が異なるように、言語は同じでも使い方は異なる。Microsoft Engineering Systems Team CVPのGabriel Aul氏は「ブラジル全体で食べられている『パステル』が人気であることを知った」と述べ、Cortanaのローカライズに注力していることを明らかにした。もちろん我々日本人には直接関係ない変化だが、Cortanaの使用範囲が拡大することで機械学習の機会が増え、最終的に賢いCortanaに成長することを期待できるだろう。

本ビルドで大きく変化したのはサインイン時の動作である。従来はロック画面をスワイプするかクリックすることでサインイン画面を表示させていたため、ロック画面とサインイン画面という2つの背景画像が存在していた。本ビルドではこれらを統合し、ロック画面の背景画像がそのままサインイン画面にも適用されるように変更している。


今回の調整に伴い、アップデート直後はロック画面は何も表示されなかった。最初は戸惑ったが、<参照>ボタンから画像を選択することで以前と同じ動作に戻るため安心してほしい。ただし、「設定」の<パーソナル設定/ロック画面>に「%SystemRoot%\Windows\Web\Screen」フォルダーの画像一覧や参照画像履歴が現れなくなっている。また、Windowsスポットライトを選択している場合、ロック画面とサインイン画面の背景画像は異なるのも違和感を覚えてしまう。この点については改善するとAul氏は述べているため、今後の動向を見守りたい。

我々日本人にといって大きな改善の1つが、MS-IMEのパフォーマンスと候補の改善だ。Aul氏は「タイプ時のUXがスムーズになり、予測候補リストから多くの単語を選択可能にした」と述べている。残念ながら筆者は普段からMS-IMEではなくATOKを使っているため、その変化は筆者に分からなかった。
この点についてはご了承頂きたい。

Aul氏は「フォト」と「Sway」を統合したと述べているが、筆者が確認したところ既存の写真を使ってストーリーを作成する<Tell your story with Sway>ボタンは見当たらなかった(バージョン16.201.11370で確認)。もっとも本件については前日の3月3日(現地時間)にSway Teamが公式ブログでアナウンスしており、下図のようなフォトストーリーを作成できるのだろう。

アプリケーションの更新に関しては「Xbox(ベータ)」にも新機能が加わった。ゲーマースコアダッシュボードやゲームセクションの改善、バグフィックスが行われている。ちなみに本アプリケーションは誰でも使用できるが、Windowsストアからのダウンロードが必要だ。

本ビルドにおけるバグフィックスとして、Windows 10の移動プロファイル機能を使うと、Microsoft EdgeとCortanaが正常に動作しない問題や、Cortanaのリマインダーが正しく動作しない問題を修正している。また、エクスプローラーで発生していた、表示内容の更新が正しく行われていない点も以前の状態に戻った。
例えばデスクトップを共有し、他のPCからファイルをコピーしても[F5]キーを押すまで更新されず、ビルド14271で筆者も困っていた問題だ。また、ビルド14271はBSoD(BlueScreen of Death)が多発していたが、Aul氏は「特定のドライバーをWindows Update経由でダウンロードするとBSoDが発生していた」と説明し、問題が解決したと述べている。筆者の環境では高速スタートアップを無効にすることで回避できたが、ビルド14279では再び有効ながらも同様の問題は発生していない。

一方、本ビルドでも多数の問題が確認されている。Surface Pro 3/4とSurface Bookでは、キーボードやトラックパッドなどすべてのUIがハングアップする問題が発生中とのこと。Aul氏は「現在調査中」と説明しているが、これらのデバイスでWindows 10 Insider Previewを試している方は注意してほしい。

休止状態から復帰する際にBSoDが発生する問題も未解決だ。こちらは前回の記事を参考に無効にすることをお薦めする。
同じく「カスペルスキー インターネット セキュリティ」などに含まれるドライバーを起因する問題、通知領域のレイアウトが破壊する問題、「QQ(中国で有名なIMアプリケーション)」が正常動作しない問題も未解決だ。

Windows 10 Mobile Insider Previewに関しては今回リリースされず、ビルド14267で止まっている。もっとも3月2日(現地時間)にビルド10586.122を「MADOSMA Q501」「ALCATEL ONETOUCH Fierce XL」「BLU Win HD W510U」「BLU Win HD LTE X150Q」の4台に開放したことを発表し、今回のビルド14279もPC的な改善が中心のためリリースを見送ったのだろう。

阿久津良和(Cactus)

提供元の記事

提供:

マイナビニュース

この記事のキーワード