愛あるセレクトをしたいママのみかた

アンチエイジングが期待できる食べ物とその理由を医師が解説

マイナビニュース
アンチエイジングが期待できる食べ物とその理由を医師が解説
●毎日のビタミンC摂取の重要性

「いつまでも若々しくいたい」という願いは、男女問わずにもっているものだろう。漫画などでよくある「不老不死」は無理だとしても、食事や運動、睡眠などの観点から見て適切なライフスタイルを保てれば、加齢の進行を多少なりとも遅らせることは可能だ。

本稿では、国際アンチエイジング医学会専門医であるAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師の解説をもとに、エイジングケアに最適な食べ物について紹介する。

○ビタミンCと副腎ホルモンの関係

浜中医師にアンチエイジングにふさわしい食べ物は何かと聞いてみたところ、「ビタミンCを多く含有する食材が当てはまるのではないか」という回答が返ってきた。

ビタミンCは肌の潤いを保つコラーゲン生成に不可欠であり、皮膚・粘膜の健康維持を支えている。体内をさびさせないようにする、いわゆる「抗酸化作用」もあり、有害な活性酸素から体を守る働きをすることから、動脈硬化や心疾患の予防にも期待がもてる。

「また、ビタミンCはストレスに対抗するための体づくりにも必要で、副腎から分泌される『ストレスから体を守るホルモン』を合成する働きを持ちます。副腎は皮質と髄質に分かれ、それぞれ異なるホルモンを分泌していますが、いずれも体にストレスが加わると速やかにホルモン分泌量を増やします。
これによって一時的に心拍数を増やしたり、血糖値を高めたり、組織から脂肪を動員してエネルギーを増大させたりして、ストレスに対する抵抗力を高められるというわけです」。

ストレスと聞くと、メンタル面における悩みがすべての元凶と考えてしまいがちだ。ただ、本来は精神的なものを含め、病気やけが、暑さ・寒さなど、「生体にとって不利な刺激」を意味するという。通常ならば、副腎には高濃度のビタミンCが含まれているが、これらのストレス(刺激)が加わるとビタミンCの濃度は急激に低下する。だからこそ、毎日こまめに摂取しないといけないのだ。

必要摂取量は男女共通で1日100㎎程度で、妊娠中や授乳中の女性はこの数字の1.5倍程度が必要となる。「ただ、1日100㎎というのは必要最低限の量であり、美肌や疲労回復、ストレス緩和などのビタミンCが身体におよぼすプラスの効果を期待する場合は、1日2,000㎎以上の内服が必要です」。●栄養素的にはみかんが最強!?
それでは、手軽にビタミンCを摂取するために最適な食材な何だろうか。
多くの人はレモンを思い浮かべるかもしれないが、事実、レモンを含む果物(特にかんきつ類やイチゴ)や野菜、いもなどはビタミンC含有量が多いのだ。ただ、水溶性で熱に弱いため、できるだけ新鮮な生で食べた方がよい。「洗いすぎ」「ゆですぎ」「水へのさらしすぎ」もNGだ。

「過剰に摂取しても余剰分は尿から出てしまうため、一般的には有害な過剰症はないとされています。ただし、薬やサプリメントなどでは、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響が報告されており、腎機能に問題がある人では腎結石のリスクが高まることから注意が必要です」。

○上手な摂取方法を知る

実際に摂取するとなれば、効率よくビタミンCを体内に吸収させるためのノウハウも知っておきたいところ。浜中医師に3つのコツを教わったので、ぜひ実践してほしい。

少量ずつに分けて摂取

ビタミンCは水溶性で一度に大量に摂取しても、過剰分は尿と一緒に排出されてしまう。
吸収されなかった分は2~3時間ほどで体外に排出されるため、毎日数回に分けてこまめに摂取するのが理想的だ。

満腹時に摂取

空腹時に摂取した場合の吸収スピードは速く、過剰分がすぐに排出されてしまう。逆に満腹時に摂取するとゆっくりと吸収が続くため、その間にもビタミンCは消費され、「全体量としては空腹時の約1.6倍が吸収される」との報告もある。つまり、朝昼晩の食事の直後に摂(と)るのが最も効率的な摂取方法と言える。

食べ合わせ

さまざまな栄養素は互いに影響を与え合うため、その食べ合わせも大切。まず壊れやすいビタミンCと一緒に摂取したいのが「ビタミンP」。ビタミンCを安定させる作用があるため、摂取効率が高まる。ビタミンPはみかんなどのかんきつ類に多く、果実部分よりも薄皮や白いすじの部分に豊富に含まれる。
みかんはビタミンCとPが一度に摂取できる優れものだ。その他、カルシウムやマグネシウムと一緒に食べても、ビタミンCは効率よく栄養素が摂取できる。

逆にきゅうりやにんじん、かぼちゃ、バナナ、りんごなどには、「アスコルビナーゼ」というビタミンCを破壊する酵素が含まれるため、一緒に食べない方がいいだろう。

食べるだけでアンチエイジングが期待できるのであれば、大多数の人が早速ビタミンC摂取に努めるだろう。ただ、食べるタイミングや量などのちょっとしたコツを知っているか否かで、その期待できる効果には「差」が生まれる。そして、その「差」をさらに大きくするためには運動習慣を持ったり、規則正しい睡眠をしたりすることが大切だと覚えておこう。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)

医学博士。北里大学医学部卒業。
AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。

提供元の記事

提供:

マイナビニュース

この記事のキーワード