くらし情報『理研、シナプスの微細構造を捉える超解像イメージングが可能な試薬を開発』

2016年3月11日 14:06

理研、シナプスの微細構造を捉える超解像イメージングが可能な試薬を開発

理研、シナプスの微細構造を捉える超解像イメージングが可能な試薬を開発
理化学研究所(理研)は3月11日、生体組織深部の超解像イメージングを可能とする組織透明化試薬「SeeDB2」を開発したと発表した。

同成果は、理研 多細胞システム形成研究センター 感覚神経回路形成研究チーム 今井猛 チームリーダー、柯孟岑 国際特別研究員、金沢大学 新学術創成研究機構 佐藤純 教授らの研究グループによるもので、3月22日付けの米国科学誌「Cell Reports」に掲載されるのに先立ち、3月10日付けのオンライン先行版に掲載された。

2013年に理研 感覚神経回路形成チームは、フルクトース(果糖)を用いて生体組織の微細な構造を保ったまま透明化する試薬「SeeDB」を開発している。SeeDBで試料を処理すると、光学顕微鏡で神経回路を3次元的に観察できるが、光学顕微鏡には回折限界という制約があり、約200nm、深さ約500nmより細かい構造は観察できなかった。

今回、同研究グループは、X線造影剤の成分として知られる「イオヘキソール」を用いることでこの方法を改良。高解像イメージングのための透明化試薬「SeeDB2」を開発した。同試薬を用いて、深部における分解能を計測したところ、100μm以上の深さにおいても一定の分解能を保っており、たとえば、STED顕微鏡では深部でも水平方向で50nmの分解能、Airyscan顕微鏡では、水平方向の分解能で150nm、深部方向で350nmの分解能が得られたという。

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