2016年3月17日 08:47
非脱獄iOSデバイスにも静かに感染を広げる新手のマルウエア「AceDeceiver」
米セキュリティ企業のPalo Alto Networksは3月16日(現地時間)、iOSをターゲットにした新手のマルウェア「AceDeceiver」を確認したと伝えた。エンタープライズ向けの証明書を悪用することなく、脱獄(ジェイルブレイク)させていないiOSデバイスにも感染し、Apple ID情報などをユーザーから盗み取る可能性があるという。
パソコンのiTunesを使ってApp StoreからiOSアプリを入手し、iOSデバイスにインストールする際に、iOSデバイスは認証コードを要求して、そのアプリがApp Storeから正規に入手されたものか確認する。このiTunesの振る舞いを疑似的に実行することで、iOSデバイスに非正規のアプリをインストールさせることが可能になる。2013年頃から海賊版アプリの配布に用いられていた手法だが、AceDeceiverはそれをマルウエアの拡散に利用している。いわゆる中間者攻撃(MITM: Man-In-The-Middle)である。
Palo Alto Networksによると、2015年7月から2016年2月までの間に、少なくとも3つのAceDeceiverファミリーのアプリが、App Storeの審査を通過して同ストアで配布されていた。