PS VRに見る「VRに求められる厳しい条件」 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
○求められる「VRならではの制作ノウハウ」
一方で、VR酔いの原因には、技術的なものとコンテンツデザイン的なものの二つがある。ここまで解説してきたのは技術的なものだが、デザイン面での要件はより多い。
例えば、急に動く方向を変えると人は一気に酔う。前や横への平行移動はいいが、後ろへ下がるのは苦手。画面を回転させる、いわゆるロールの動きも、酔いを誘発しやすい。主観視点に近く、世界全体を見通すのが難しいため、目的地の方向などを見失いやすくなる。加速度を感じさせる場合にも、急激に速度を変えると酔うため、ゆっくり変えなくてはいけない。逆に加速度が変化しないなら、高速移動していても酔いにはつながらない。
そうした知見は、VRコンテンツを作ってみないと見えてこない。ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイドスタジオ・プレジデントの吉田修平氏は「やってみないとわからない。どんなにゲームのベテランでも、同じところで引っかかる。自分が真剣に取り組み始めるとやっとわかってくる」と説明する。
だからこそ、GDCでも情報交換は活発に行われていたし、日本国内でも、VR関係者の横のつながりは広い。