山田祥平のニュース羅針盤 (63) LINEのニュースとコミュニケーション
LINEのニュースというと、独立したiOS/AndroidアプリのLINEニュースを思い浮かべるが、今回の強化は公式アカウントを利用したニュース配信機能を外部メディア向けに昨年末に開放した「LINEアカウントメディアプラットフォーム」の強化だ。運用を開始して3カ月余が経過し、その傾向が見えてきたことによるものだ。
LINEニュースアプリでは、種々雑多なニュースの中から自分の読みたいものを読み進めることができるが、ニュースを読もうという積極的なアクションが求められる。もちろんアプリ自体のインストールも必要だ。そのことが高いハードルになっていることは否めない。
その一方で、アカウントメディアは普段使っているLINEのタイムラインやトークの中にお気に入りのニュースメディアが登場し、受動的にニュースが目に飛び込んでくる。
そこに大きな違いがある。まるで知っている誰かがシェアしたかのようにだ。
○テレビと似ている情報受信
今回の強化策から連想するのはテレビだ。テレビをリアルタイムで見る視聴スタイルは少なくなってきてはいるようだが、それでも自宅に戻ったらとりあえずTVをつけるという層は少なくない。そして、電源の入ったテレビをどうするかというと、ある人はいつものチャンネルに合わせたままでそのまま放送を流しっぱなしにする。またある人はとりあえずザッピングのためにチャンネルを順に送ってみておもしろそうなチャンネルを探す。
この両者の違いは、いつものLINEのタイムラインに出てくるニュースを見るのと、LINEアプリでニュースを見るのとの違いに似ている。いつものタイムラインにニュースが出てくるのなら、そのユーザーはLINEアプリの外に出ようとしないだろう。
結果としてLINEアプリへの滞留時間が延びる。そして滞留しながらも、外部メディアに接触する機会は増えるのだ。
○若年層はSNSでニュースをチェック
LINEは、スマホユーザーにニュースサービスの利用に関する意識調査を実施したが、それによれば、全年代のトータルでニュースサービスのトップはYahoo!ニュースだという。LINEの23%に対してYahoo!ニュースは49%と、倍近い開きを見せている。ただ、年代を10代に限定すると、Yahoo!が30%、LINEが33%とわずかながらも逆転する。LINE以外のSNSが27%なので、LINEとあわせれば60%となり、若い世代にとってはニュースもまたコミュニケーションの一部であるということがわかる。だからこそ、ニュースをもLINEアプリ内に融合させなければならないというのが同社の論理だろう。
LINE以外のSNSで誰かがシェアしたニュースは、それを見て終わりというケースが多いが、LINEのアカウントメディアは、1日に何度も見られる傾向があるという。
つまり、エンゲージメント率が高いというのだ。そのため、従来は接触しにくかった属性を持つ層に、十分にリーチできる可能性があるということらしい。
知っている相手とのコミュニケーションの中に、ランダムに飛び込んでくるニュース情報。読む気もないのに自然に目に入るという、情報との偶然の出会いを若年層も求めているということか。
(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)
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