くらし情報『東北大、超高速・低消費電力集積回路を実現する新構造磁気メモリ素子を開発』

2016年3月23日 10:22

東北大、超高速・低消費電力集積回路を実現する新構造磁気メモリ素子を開発

東北大、超高速・低消費電力集積回路を実現する新構造磁気メモリ素子を開発
東北大学(東北大)は3月21日、超高速動作が可能な新方式の磁気メモリ素子を開発し、その動作実証に成功したと発表した。

同成果は、東北大学 電気通信研究所 大野英男教授、深見俊輔准教授らの研究グループによるもので、3月21日付けの英国科学誌「Nature Nanotechnology」オンライン版に掲載された。

近年、磁性体の磁化(磁石のN極/S極)の向きで情報を記憶する磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の研究開発が盛んに行われており、一部で実用化が始まっている。MRAMは、高速動作が可能で書き換え回数に制限がないことから、現在広く用いられているSRAM、DRAMなどの半導体ワーキングメモリの代替技術として注目されている。

最近、MRAMにおける新しい情報の書き込み方法(磁化反転手法)として、スピン・軌道相互作用に由来するトルクを用いる方法(スピン軌道トルク磁化反転)が示され、研究が行われている。スピン軌道トルク磁化反転にはこれまで2つの方式があることが知られており、いずれも長所・短所があった。ひとつめの構造は、原理的にはナノ秒付近の高速領域でも低速領域と同程度の電流での磁化反転が可能であるものの、磁化反転に要する電流の絶対値が大きいという課題があり、一方で2つめの構造は、低速領域では小さな電流で磁化を反転させられるものの、高速領域では磁化反転に要する電流が著しく増大することがわかっていたほか、セル面積の低減が難しいという課題があった。

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